『パンでんしゃ』【今日の絵本だより 第155回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『パンでんしゃ』
有田奈央/文 喜湯本のづみ/絵 交通新聞社 1430円
4月12日は、「パンの記念日」。そして、毎月12日は「パンの日」。
昨年のパンの記念日にはこちらをおすすめしましたが、今回は例月12日のパンの日にちなんで、パン×電車×動物という楽しさトリプルな絵本、『パンでんしゃ』をご紹介します。
電車に乗って、おばあちゃんの家に遊びに行くことにしたウサギ。
駅のホームで電車を待っていたら、カタンコトンとやって来たのは……
「パンでんしゃ!?」
先頭にある行先には、「おばあちゃんちゆき」と書かれています。
ウサギが中に乗ってみたら、不思議なこの電車は外も中も、みーんなパンでできています。
カレーパン、チョココロネ、ハンバーガー、クロワッサン……、数えきれないくらいのパンの山に、ウサギは
「うわあ~、おいしそう~」
と、夢中でもぐもぐ。
それから駅につくたび、ブタやクマ、いろんな動物が乗ってきて
「こりゃ、うまい」
「わーい わーい」
と、みんなでどんどんパンを食べていきます。
すると、あらら、電車が少しずつ小さくなってきて……?
車内は一面パンだらけ、どれもほかほか焼き立てで、なんともおいしそう。
私は、つり革が特にツボでした。
丸い持ち手はもちろん、つり革部分の素材が(笑)!
もぐもぐぱくぱくがとまらないパンでんしゃの中で、最後に残ったのは、メロンパン。
みんなで取り合いになってしまったら、なんと……!
さあ、パンでんしゃでウサギもみんなもおばあちゃんの家まで無事にたどり着けるのか、ぜひ絵本を読んで確かめてくださいね。
おばあちゃんがまた、いい味出してますよ!
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。