和室の入り方・挨拶の仕方【今覚えておきたい、子どもができる和のマナー・2】
マナーというとかたくるしいルールのように感じるかもしれませんが、実はよく考えられた簡単で美しいものばかり。五感を育むこの時期に本物を知っておけば、一生の財産になりますよ。クッキングプロデューサーの葛恵子さんにマナーについて教えてもらいました。
和室のマナー
畳に慣れていない子どもがほとんどですが、和室の入り方やご挨拶の仕方を知っていればかっこいい !
ゆっくり静かに動いてみる
和室は着物で生活するのに適した作りになっています。着物は裾がすぼまっているので、ゆっくりしか動けません。浴衣や着物を着たことがあれば、そのときのことを思い出して、ゆっくりと歩いたり、座ったりしてみましょう。
知ってる? 和室の入り方
子どもにとって初めての体験だと、楽しくなってしまいそうな和室。敷居やへりを踏まずにゆっくりと歩いて入ることを教えてあげましょう。木の板とは違う、やわらかな足の感触を感じてほしいですね。飾ってあるものは高価なものが多いことも伝えましょう。
しきい
廊下とふすまの境目であり、ふすまのレール。すり減りやすいので踏まないようにしよう。
ふすま
和室の入口。取っ手に両手を添えて、横にスライドさせ、少し開けたら、ふすまのへりに手をかけて開ける。ゆっくりと丁寧に開け閉めすれば大きな音もしません。
たたみ
い草の香りや手触りが子どもには新鮮な畳。広さの単位にもなっているので、1畳の大きさを確認させてあげましょう。
たたみのへり
神様が宿る大切な場所と考えられてきた畳のへり。いたみやすいこともあり、踏まないように。
座って挨拶するんだよ
部屋に入ったら、きちんとご挨拶したいもの。正座で座り、手をついてご挨拶できたら、ほめられることまちがいなし。座布団がある場合は、座布団の手前に座り、膝で前に進みながら、座布団の上に座りましょう。難しければ、踏まないように注意して座ればOK。
かけじく
お客様をもてなすために掛けられた絵や書のこと。美しい和紙で装丁されている。
とこのま
位の高い人が座る一段高い場だったが、現在では飾る場所として大事にされているので、子どもがのってはいけません。
とこばしら
細工がされていたり、いい木が使われたりする床の間の脇にある化粧柱。登らないでね。
教えてくれたのは
葛恵子さん
かつらけいこ/クッキングプロデューサー。本名、岸恵子。2000年より子ども料理教室を主宰。著書に岸朝子と共著『ごはん力』『子どもに恥をかかせない食事のマナー』(マガジンハウス)『子どもクッキング』(講談社)他多数。
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イラスト/はっとりさちえ (kodomoe2016年6月号掲載)