あの本は何歳? 夏休みに読みたいロングセラー絵本 30代・40代
誰かが自分と「同い年」や「同世代」とわかると、ぐっと親しみを感じませんか?
長く愛され続ける絵本の中にも、あなたと同い年が見つかるかもしれません。
読みきかせ経験豊富な読書アドバイザーのおすすめコメントで、定番絵本を紹介します。(kodomoe2015年8月号掲載)
撮影/岡森大輔 編集協力/原陽子(JPIC読書アドバイザー) 読者モデル/浅水星恩くん、川名結麻ちゃん、高麗凛音ちゃん、志賀旭くん、中村瑛斗くん、三上さくらちゃん・明道くん、若林優愛ちゃん コメント/【JPIC読書アドバイザー】井出ひかる、鈴木清美、原陽子
40代の絵本
この時代の主なできごと
1970年 日本万国博覧会(大阪万博)開催
1972年 札幌オリンピック開催
あさま山荘事件。沖縄返還
1973年 第一次オイルショック
1975年 沖縄国際海洋博覧会開催
1978年 日中平和友好条約調印
成田国際空港開港
1969(49歳)
1歳〜
おばけのせかいへとんでいけ
『ねないこだれだ』
せなけいこ/作・絵 福音館書店 本体600円+税
「怖い世界をのぞいてみたくなるのも子どもの欲求のひとつ。自分は安心できる場所にいるからこそ楽しめます。しつけ絵本として読むのではなく、大人も一緒に楽しんで」(鈴木)
1969(49歳)
3歳〜
世界に一枚の特別なワンピース
『わたしのワンピース』
にしまきかやこ/絵と文 こぐま社 本体1100円+税
「『ミシン カタカタ』『ラララン ロロロン』を子どもたちが一緒に言ってくれたり、『にあうかしら』には『にあう~』とうれしそうに答えてくれるのが楽しいです」(井出)
1971(47歳)
6歳〜
豆太が勇気をふりしぼった夜
『モチモチの木』
斎藤隆介/作 滝平二郎/絵 岩崎書店 本体1400円+税
臆病な豆太ですが、大好きなじさまが病気になったとき……。「いつかあなたたちも苦手を克服するときがくる。その成長の応援になるようにと願いながら読んでいます」(鈴木)
1972(46歳)
0歳〜
「できたできた」のうれしさがいっぱい
『しろくまちゃんのほっとけーき』
わかやまけん/作 こぐま社 本体800円+税
おいしい場面にみんなが夢中。『だれかぼーるをおさえてて』ではかわいい手でぼーるをおさえてくれるので、一緒に作ったほっとけーきができたときの喜びは格別ですよ」(井出)
1974(44歳)
3歳〜
友達にチョッキを貸してあげたら
『ねずみくんのチョッキ』
なかえよしを/作 上野紀子/絵 ポプラ社 本体1000円+税
「体は小さいけれど心の広いねずみくん。お似合いのチョッキを次々と貸してあげます。繰り返しの楽しさと『次は?』の期待感、子どもたちは急いでページをめくります」(鈴木)
1974(44歳)
5歳〜
おしいれの深い暗闇の中に
『おしいれのぼうけん』
ふるたたるひ・たばたせいいち/作 童心社 本体1300円+税
「意地っ張りできかんぼうで、強がりで怖がりで、素直。おしいれの中の世界を体験し成長するふたりが、かわいくたくましい。仲直りまでの過程は長い方がいいのかも」(鈴木)
1976(42歳)
3歳〜
ノンタン、ぶらんこかわってよ!
『ノンタンぶらんこのせて』
キヨノサチコ/作 偕成社 本体600円+税
「『いれて』『いいよ』、『かして』『いいよ』。どの子も初めから上手に言えるわけではありません。苦手をさらけ出せない子もいます。そんな子どもの心に寄り添うお話です」(鈴木)
1977(41歳)
4歳〜
うんちの概念が変わります
『みんなうんち』
五味太郎/作 福音館書店 本体900円+税
いきものはたべるから、みんなうんちをするんだね。「うんちブーム到来の子におすすめしています。『うんち』と発する言葉の意味が、その子の中で変わるといいなあ」(井出)
1977(41歳)
0歳〜
言葉×絵の不思議な力
『もこもこもこ』
谷川俊太郎/作 元永定正/絵 文研出版 本体1300円+税
「『どう読んだらいいのかしら』ととまどっても、そのままゆっくり読んであげてください。絵本は聞いている子どものものと実感します。その感性に委ねて間違いなし」(鈴木)
1977(41歳)
6歳〜
初めて知った、愛と悲しみ
『100万回生きたねこ』
佐野洋子/作・絵 講談社 本体1400円+税
100万回も生まれ変わったねこが、初めて自ら愛するねこに出会います。「とても哲学的です。読む年齢によって受け取るものが違い、折にふれ読み返したくなります」(鈴木)