2024年12月28日

「平均的な育ち」を目指さなくていい。大切なのは、そのままの我が子をしっかり受け止めて抱きしめること【日登美のタベコト in Berlin・89】

 ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

子育てで本当に大事なこと

いよいよ今年も暮れていきますね。本当に1年ってあっという間です。それと同じように、子育ても本当にあっという間です。

小さい頃はいろいろなことが気になりますよね。よその子より背が小さいとか、字を書くのが遅いとか、食べる量が少ないとか、好き嫌いをするんだとか。その時はそれが最重要事項のように思えてならず、なかなかみんなと一緒にならない我が子にヤキモキすることもあるでしょう。

上の4人の子どもが日本に住んでいた頃。てんやわんやな毎日だったけど、幸せな時間だったと今では思う。

だけど、子どもが大きくなった今思うのは、あんなに心配していたあれこれは、取るに足らないことだったということ。それよりね、もっと大事なことがあったんです。

それは、今目の前にいるその子の、そのままを、そのままでいいんだよ。あなたはそうなんだね。とまずしっかり受け止めてあげることなんです。

こんな小さかった子どもがあっという間に大人になっちゃうんだから!

どうしても、親になると、我が子可愛さから、みんなと一緒、平均的な育ち、というのを目指してしまうし、そうでないと心配になってしまう。でも、本当にその子がその子らしくどっしりとしっかりと生きていく力を育むには、まずはどんな状態であれ、その子のそのままをしっかり受け止めること。ないものを有るようにしつけたり、小さいものを大きくしようとしたり、できないことばかり目について叱って、できることを認めずに、放っておいてしまう。私たち大人って本当に子どもに必要なことと全く逆なことをやっているんです。

双子の坊や。今ではすっかりドイツで成人しています。信じられない。

あっという間の1年。それと同じように、あっという間に巣立っていってしまう子どもたちとの時間。だからこそ、年の終わりに伝えたい。

どうぞ、今のそのままのお子さんを、どんなものであれそれが一番なんだと、しっかり受け止めて抱きしめてあげてほしい。他の誰かになってほしい訳じゃないはずだから。その温かな思いこそが、食事と同じように、子どもたちが元気に大きくなっていくための大事な栄養なんだと思うのです。

いろいろある世の中ですが、どうぞこれからも子どもたちの住む世界が温かなものでありますように。それを見守る大人たちの世界もより良くありますように。今年も1年連載を読んでくださってありがとうございました。良いお年をお迎えくださいませ。

今年も一年ありがとうございました。世界中の子どもたちが健やかに育っていける世界でありますように。

【INFORMATION】

2025年1月、日登美さんが主催するミッテで、新年特別企画を開催します。
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日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。 

台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)
instagram / @hitomihigashi_b
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