「プファンド」でペットボトルの容器を、「リファンド」でテイクアウトの容器を再利用。エコ大国ドイツの画期的なシステム【日登美のタベコト in Berlin・82】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
ドイツのエコなシステム
ドイツといえばエコ大国ですが、最近、外食でも画期的なシステムが見かけられるようになりました。
こちらでは「プファンド」というシステムが一般的で、全てのペットボトル商品は値段の上に0.25ユーロ(25セント)を購入時に余分に支払うように決められています。それは空のペットボトルがゴミになるのを防ぎ、積極的にリサイクル品として回収できるようにするためで、飲み終わったボトルを指定の場所に返却すると、その25セントが手元に戻ってくるという仕組みになっているのです。
なのでペットボトルを安易に捨てる人はいませんし、家庭で出たペットボトルは購入したお店に返却する、ということがどの家庭でもやっているリサイクル活動でもあります。たくさんペットボトルを返却したらあっという間に1ユーロ、2ユーロというお金を手に入れることができるので、街に捨ててあるペットボトルやプファンドの対象になっているガラス瓶や洗って繰り返し使用される指定の容器などは、ホームレスのひとが集めて収入源にすることもあります。そんな風に飲み物の容器では、すでにプファンドが浸透していたのですが、最近デリの持ち帰り容器もリファンド式のものが使えるお店が増えているようです。
このお弁当箱のように仕切りのある入れ物は、街の中のさまざまな提携レストランやショップで使用、返却することができます。QRコードを見ればどこのお店が提携しているかわかるようになっているので使い方も簡単。最初に5ユーロ程度を容器代として支払ってデリを持ち帰り、食べて空にして返却するとお金が返ってくる。容器は丈夫なので返却せずそのまま使用し続けても問題ありません。もちろん素材もリサイクルやBPAフリーなど健康や環境に配慮されたものを使用しています。
特にオーガニックレストランやショップ、カフェなどで使われているようでとっても良いシステムだと思いました。今や普通のカフェでも使い捨ての紙コップだけでなく、リユース、プファンドのカップを使う店も増え、ますます気持ちがいい。
こんな風に街全体で、あるいは幾つかのお店が共有のシステムを使って出来るだけゴミを減らし環境負荷を減らす努力を続けること。そして、そういう活動に意識的に参加しようとする暮らしは、ドイツではとても多く見られとても勉強になるなぁと常日頃思っています。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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