2024年2月24日

自分のお弁当は自分で作る、18歳の息子たち。好きなものを入れられるから苦にならないらしい【日登美のタベコト in Berlin・67】

 ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

子どもと台所に立ってみよう

ご飯を作るのが負担じゃないですか? 私は料理が得意な方ですが、それでもやっぱり「ごはんかぁ……」とため息が出てしまうことはたくさんあります。そんな時こそ、子どもと一緒に台所に立ってみる。めんどくさいな!というイメージがあるかもしれませんが、実は新しい視点をもたらしてくれるかもしれません。

こうして昔から子どもと一緒に台所に立って、はや20年ほど。この坊やたちが今は自分で弁当作ってる。

自分のお弁当を作る双子ボーイズ。自分で好きなものを入れられるから作るのは苦にならないらしい。なるほど!

台所で一緒におやつを作る、ご飯を作る、お皿を洗うという、私たちからすると「やらねばならないこと」感があるものも、子どもには遊びの一環として成立します。お手伝い、という名の遊びを取り入れていくと、次第と親子揃ってそれが当たり前になり、ご飯を作るということが苦ではなく、楽しみになるように思います。子どもの遊びと、大人の仕事と同時にこなせて一石二鳥なのです。

「作る」は台所だけじゃない。工作もいまだに楽しい18歳と10歳の子どもたち。

そして「作る」というと負担を感じてしまうけど、すごいものを作る必要はないんです。

ご飯を研ぐ、味噌汁を作る、納豆をかき回す、そういう単純なメニューの繰り返しだって、いや、むしろその方が子どもは喜ぶかもしれません。特別なものはたまにしか登場しない、その方が喜びも大きかったりして。ものは塩梅ですけども、そんなことも思います。

普段は素食だけど、なんでもない日に娘とケーキを作る。カオスは承知。でも楽しい美味しいが嬉しい。

「作る」を推奨すると負担になる世の中で、「作る」が楽であるためには、大人目線の完璧を手放しておくといいかもしれません。少々ご飯がザルからこぼれても、味噌汁のネギが大き過ぎても食べられるんだからオッケー、くらいの気持ちで作ればいい。

本当は作ることって楽しいのに、時間もないし、子育てや食に外野からプレッシャーはあるし、疲れて体力もないので、嫌になっちゃう今日この頃。それじゃもったいないなぁと思うのです。

作ったもの、買ったもの。ごちゃ混ぜの朝食。無理せず適当に。それが台所を楽しむコツ!

食事も、子育てもきちんとしてないと、って私たちはいつも思い過ぎちゃって、つい楽しむことを忘れがち。そこで子どもたちはそんなことを吹っ飛ばして「楽しむこと」を教えてくれます。

適当でいいのよ、ご飯も子育ても。でも作るのが楽しいとか、美味しいとか、遊べる時間とか、そういうものが心に残って育って行く方が大人も子どもも楽しいでしょう? 

今こそ、本当に楽に暮らすためのマインドセットの転換が必要な気がします。

日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。 

台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)
instagram / @hitomihigashi_b
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