調理の必要がなく、準備も簡単なラクレット。休日は手がかからないごはんで遊び倒すのがドイツ流【日登美のタベコト in Berlin・39】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
「ドイツ式なるべく頑張らない食卓」で暮らしを豊かに
あけましておめでとうございます!
あっという間に新年を迎えたベルリン。ドイツではお正月はクリスマス休暇と呼ばれ、新年を祝うというより、クリスマスを祝うことが中心です。なのでクリスマスが過ぎるとなんとなく年を越してしまう感があります。
食卓もおなじように、クリスマスには伝統的なガチョウの丸焼きなど手の込んだ料理で祝うようですが、その後は普通の食卓になり、ホッと肩の荷が降りた感じがスーパーなどいたるところで感じられます。特別な日って楽しいけど、やっぱりちょっと気合が入り過ぎちゃいますもんね。
我が家も毎年なんちゃってお節を海外で作り続けていますが、今年は更に手を抜いて、家事の合間にできるくらいのことしかしませんでした。食卓の「こうせねば!」を手放していくことで、忙しい時期でも心や時間に余裕が生まれたように思います。
そんな人が集まるこの時期ドイツでよく食べられているのが、ラクレットと呼ばれる、チーズを焼いてパンやじゃがいもや酢漬けのピクルスなどにつけて食べる料理。
ラクレットは専用の機械があって、日本でいうお好み焼き機みたいな感じ。大体の家庭はそれを持っています。そこで焼いて溶けたチーズを食べるので、お好み焼きみたいにワイワイ大人数で食べるのに向いています。
なによりラクレットはじゃがいもを茹でる以外、調理は必要なく、準備も簡単。休日はなるべく手がかからないごはんで遊び倒すのがドイツ流。日々の暮らしを楽しく、できるだけ家事のストレスを減らす、がモットーのよう。もちろんその加減はあるでしょうが、台所を楽にすることで得られるものもあるなぁと改めて思いました。
それでもラクレットは美味しいし、みんなで楽しくワイワイできる。そんなドイツの頑張らないけど楽しく美味しい食卓を今年も紡いでいきたいと思っていますので、皆さんどうぞお付き合いくださいね。
では、本年も健やかで佳い一年となりますように。よろしくお願いいたします!
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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