米が炊けるだけで、尊敬される!? ドイツのパーティでは大人気の「おむすび」【日登美のタベコト in Berlin・24】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
おむすびと国際社会
子どものお友だちがうちに来るときって、おやつをどうしようとか結構悩みますよね。なんならお泊まりしたり、お夕飯食べていくとかいうと、海外では文化の違いもあるんで一体何を食べるんだろう?とか、食べられないものだったらまずいよね、とか。
しかもあまり馴染みのないものを出してしまうと、引かれてしまうので、その辺も考慮しなければなりません。これは親として外してはならない瞬間ですよねぇ。子どもの面子がかかっているところも、なきにしもあらず。ここはひとつ、子どもの株をあげてやらねばならないわけです。そんなときに、もってこいなのが、おむすび。ドイツでは米が手の平サイズになっていたら全て「寿司」と呼ばれていて(笑)、おむすびという言葉はまだ浸透していない模様だけどみんな大好きです。
子どもの誕生日会とかパーティーの持ち寄り。こういうときにも大活躍するのがおむすび。海苔巻き寿司などはもちろん人気ですが、米を家で炊いたら拍手喝采という国に住んでいますので、おむすびを出してやったら確実に子どもの株はあがります。そしてもれなく作った私の株もあがります。「この米はやっぱり買うの? 作ったの? まさかねぇ」とか言われるくらい、なぜか皆さん米を炊くことのハードルが高い様子。これはドイツに来てびっくりしたことのひとつ。パスタを茹でるように米は茹でるものと思っている人も多いのです。
そんなわけで、実はドイツではお洒落なケーキを焼いたり、手の込んだマフィンを焼いてあげるより、おやつにさらっとおむすびを結んであげれば人気間違いなし。そこに醤油なんぞあれば最高です。もし自家製の味噌と醤油なんか作ってしまっていたら、尊敬の眼差しを集めることは間違いないでしょう。やっぱりどこにいても隣の芝生は青いのですね。日本人の当たり前がドイツ人には憧れ。そう考えると、やっぱり自分の国の文化を大事にしておくことは、これからの国際社会でとても大事なように思います。というわけで、まずは食卓から、米を炊こう、食べよう!ですね。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
音声プラットホームvoicyで「日登美のイロイロ子育てラジオ」発信開始!