素人でも失敗なく美味しくできる「放置系カンパーニュ」をご紹介【日登美のタベコト in Berlin・16】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイ、第16回です。
パン作りにハマっています
実はドイツに住んでいながらご飯党の我が家はあまりパンを食べません。だけどやっぱりドイツ人の夫にはソウルフード。時々食べたいわけです。
犬も歩けば棒に当たる頻度でベルリンの街にはオーガニックのパン屋があるので、何も自分で作ることはないか……、とほとんどパンを焼くことがなくなった私ですが、一個200~300gのパンがオーガニックで1個4ユーロほど。うちの場合3~4個ないとみんなで食べるには足りない。そうなると毎食12ユーロって高い!(笑) オーガニック米の方が安いし。
しかも最近コロナで家から出られないとか、寒いから買い物行くのめんどくさいとか(笑)、そういう時に限って、「なんかご飯じゃなくてパン食べたいよね?」みたいな話が持ち上がりまして。ならば作りましょうか、と材料なら大体いつでも揃っているので、久しぶりにパン作りをしてみたら、めちゃくちゃおいしい。しかも簡単。というわけで最近は再びパン焼きをしております。
とはいえ、忙しい毎日で大変なことは続きません。しかも毎日パンを食べたくはない私たち。その上、スペルト小麦で作りたい、発酵で失敗もしたくない、という数々の注文をつけながら最小限の努力で最高の結果を得るべく、ブラジルに住んでいた時代に作っていたパンを改良し「放置系カンパーニュ」と名付けてレシピを完成させました。
とにかく素人が失敗なく美味しくできる。朝仕込み、夜焼く。もしくは夜仕込んで翌昼に焼く。など無理のない時間割が可能。つまり発酵が割と適当でいい。成形も適当、クープも適当、それでもとりあえず美味しくできる。材料はスペルト小麦、塩、酵母、水だけでできる上、オーガニックで3ユーロ以下で1キロのパンが焼ける。市販の天然酵母を使うので、やめたくなったらスパッとやめられる、後腐れなし。超絶簡単、超絶お得、というまさに私の理想的なパン。
今日は皆さんにそのレシピをお伝えします。後腐れなくパンを作り、思い出した時にまた作る。そうこうするのを繰り返すうちに、いつか皆さんの家庭の味になる日がくるかもしれません。
材料
スペルト小麦 770g
生のイースト 15g(なければ天然酵母 小さじ2)
水 560cc
塩 10g
作り方
1.大きなボールにスペルト小麦と塩を入れてよく混ぜる。別のボールに水を入れて生のイーストを溶かしておく。粉の入ったボールにイーストを溶かした水を加えてひとまとまりの生地にする。この時、捏ねないでいい。ラップをして寒い部屋(10~15度くらい)に放置する。
2.10~15時間ほどで生地がブクブクして2倍くらいに膨張したら粉をたっぷりしたまな板に出して何回か折り畳みながら丸く成形し、粉をたっぷり振りかけて最終発酵させるためにザルに布をかけて粉を振った入れ物などにいれて常温に1時間ほど放置する。その間にオーブンを250度以上に温め、中に鉄製鍋をいれて予熱する(この鍋の中で焼きます)。
3.再び生地が膨らんだら、オーブンの鍋を取り出し(火傷注意!!)蓋を開けて生地を放り込み、ハサミで適当に切り込みを入れて素早く蓋を閉めてオーブンにいれる。250度で20~30分焼き、蓋を開けて5~10分香ばしく焼けるまで焼いて完成です。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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