2020年8月17日

現地在住ママが感じる、マレーシアが親子留学で選ばれるワケ【教えて!世界の子育て~マレーシア~】

海外ではどんな子育てをしているの? 日本から離れて子育てをするママたちに、海外でのようすを教えてもらう「教えて! 世界の子育て」。
場所や文化が違うと子育ては違うのでしょうか。日本での子育てや生活と同じことや違うこと、各国からリアルな声を伝えてもらいます。

マレーシア在住のカオリさんは3歳と4歳の男の子のママ。お子さんの通う現地の幼稚園では、さまざまな言語が飛び交っています。お子さんたちが、日々、多くの言葉を吸収しているのには、学習にちょっとしたコツがあるそうです。今すぐできそうな、そのコツとは?

親子留学で
マレーシアが選ばれるワケ

「いつか家族で海外に住みたい」と考えるご家庭や、実際に子どもを連れて海外移住する方々は、その土地でわが子に外国語を習得させたい、という願いを移住理由の一つに持っているかもしれません。
日本で生まれ育つと、学校で英語を習う機会を除けば、外国語を特に必要とすることなく大人になることも多いでしょう。

マレーシアでは、言語を習得するのに良い環境が整っていて、さらに一つの言語だけでなく多言語を習得できるという魅力も持ち合わせています。そのため、親子での留学先としても人気があり、わが子に外国語を勉強させたいという願いから家族での移住も増えているように感じます。

では、なぜマレーシアが多言語習得に向いていると思いますか?
それは、マレーシアが「多民族国家」だからです。多民族国家とは読んで字のごとく、さまざまな民族の人がともに暮らすことです。そのため、そこで用いられる言語もさまざまです。

現地在住ママが感じる、マレーシアが親子留学で選ばれるワケ【教えて!世界の子育て~マレーシア~】の画像1

多民族国家マレーシアではさまざまな文化に触れる機会がとても多く、ローカル幼稚園に通っているとイベントが目白押しです!

たとえばマレーシアの公用語は「マレー語」ですが、昔はイギリスの植民地だったこともあり「英語」も広く用いられています。インド系マレーシア人は「タミル語」を、また、中華系マレーシア人と呼ばれる人は「中国語」を、場所によっては「広東語」「福建語」「客家語」を使う人などさまざまですが、華人の中にはそれらを使い分ける人もいるほどです。今あげてみただけでも、たくさんの言語が使われていることがお分かりいただけたでしょうか。

このようにマレーシアでは生まれたときから、さまざまな言語を耳にすることが多いので、まさに体で言語を感じる環境が整っていると言えます。このような環境のもとで、わが子をバイリンガルやマルチリンガルに育てたいという思いから、移住を決める日本人の家族も近年増えているように感じます。

家庭でできる
言語の学習とは?

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現在マレーシアではマスクの着用、入店前の検温や個人情報の入力(記入)、手指のアルコール消毒が義務付けられています

わが子たちは、マレーシアのローカル幼稚園に通っていますが、現在園で勉強している言語はというと、英語、マレー語、中国語です。園にはマレー系マレーシア人、中華系マレーシア人、インド系マレーシア人の先生たちがおり、さまざまな言語を用いて子どもたちを教えています。
わが家の子どもたちは3歳と4歳ですが、すでにこれらの言葉の使い分けができていて、それぞれの意味も理解しています。わが子を見ていると、子どもの脳はとても柔軟でスポンジのように吸収力が高いことに驚かされる日々です。

幼稚園の先生いわく、このくらいの年齢の子どもは毎日さまざまなことをどんどん吸収し、猛スピードで学習していくのだそう。その中でも言語について言えば、言葉とそれが意味するイメージを脳に結びつける学習が大事だそうです。
例えば「Ball(英語)」「球(中国語)」「Bola(マレー語)」「ボール(日本語)」は全て同じ意味ですが、言葉と同時にボールそのものを見せることで、単なる音の暗記ではなくイメージとして体の感覚で言葉を覚えることができます。
他にも「大きい」と「小さい」、「同じ」と「違う」などの対比を教えるとき、できるだけ脳にイメージをさせるよう、物を使ったり絵を描いたりするよう心がけています。

わが子がローカルの幼稚園に通っているので、日本語を教える機会は今のところ母親である私からのみです。日本語を教える際にも、先ほど述べたように脳にイメージさせることを意識しながら、子どもたちと会話したり教えたりしています。わが子は私に対しては日本語、主人(マレーシア人)に対しては中国語を話し、ときどき英語も交えながら話をしています。

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日本語の本もたくさん読み聞かせています! 息子は、お気に入りの本は自分で読めるようになるまで何度もくりかえし読んでいます

冒頭でも触れましたが、マレーシアは多言語習得に良い環境が整っていると思います。しかしマレーシアに住んでいるからといって自動的に外国語が身につくかというと、もちろんそうではないと思います。やはり本人の努力はもちろん、親のサポートや周りの環境などさまざまな要因がありそうです。
私たちは「子どもにマルチリンガルになって欲しい」と強く願うあまり、スパルタ教育にならないようにと気をつけています。一番大切にしたいのは、子ども自身がその言語に興味を持つこと、楽しんで学ぶことだと思うので、今は親としてそのきっかけづくりをしているに過ぎません。

もちろん語彙を増やすために、ときおり新しい言葉や意味について教えることはありますが、そのたびに間違えた言葉を正すと子どもも嫌な気持ちになってしまいます。心がけているのは「勉強」と堅苦しくとらえず、まずは楽しむことや言葉に慣れ親しむことに重きを置いて子どもに言葉のシャワーを浴びせるということです。

昨日教えた言葉や文法が今日出てくるわけではありません。何度もくりかえし聞かせたり説明したりして、時には辛抱強く子どもの成長と向き合うことも必要に感じます。子どもが自分の気持ちをうまく言葉にできず、もどかしいようすのときには、わが子をじっと観察し、「どうしたの?」と聞いてみたりYES、NOで答えられるような質問を投げかけてみたり、私たち夫婦で試行錯誤しています。

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幼稚園では全ての園児がフェイスシールドを着用しています

息子たちのクラスにはさまざまな背景や宗教を持った人種の子どもたちが一緒に授業を受けています。これから先、子どもたちはお友達とのコミュニケーションを通して、よりたくさんの言葉を吸収し、ますます多くのことに興味を持つと思います。彼らの成長をそばで見守りつつ、私も子どもたちと一緒に色々なことを学んでいきたいと思っています。

現地在住ママが感じる、マレーシアが親子留学で選ばれるワケ【教えて!世界の子育て~マレーシア~】の画像5今回の海外ママは
カオリさん
マレーシアの首都クアラルンプールで就職、結婚、出産などを経験し、現在マレーシア在住歴7年目。年子の男の子兄弟の子育てに日々奮闘中です! 現地のローカルフードを食べることが大好き、最近はインテリア雑貨探しにハマっています。
Instagram @kaori.h04
Twitter @KaoriMalaysia
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