なかなかオムツが外れない……。悩めるママに伝えたいこと【ノンちゃん先生の「おうちでモンテッソーリ」・4】
モンテッソーリ教育を日米の保育現場で実践してきた小原希美さん(ノンちゃん先生)が、子育てに役立つモンテッソーリ的考え方をわかりやすくご紹介。子どもとの向き合い方がぐっとラクになります♪
うちの子、オムツが外れる気がしません
トイレトレーニングでお悩みのママ、本当に多いですよね。大人が必死になればなるほど、子どもが引いてしまったりして、出口の見えないトンネルの中のような感覚なのでは?
まずは深呼吸。「すぅ~っ」と鼻から大きく吸い込んで、さあリラーックス! 一緒にトンネルから抜け出しましょう!
トイレトレーニングで大切な2つのポイント
トイレトレーニングにはいくつかポイントがあります。 まずは、環境。トイレの環境を子どもが行きたいなと思えるような雰囲気にしてあげること。
トイレってどうしても狭くて、暗くて、殺風景で、なんだか「イヤな場所」というイメージを持っているお子さんが結構います。お気に入りの柄の補助用便座を置いてみたり、可愛らしいステッカーを壁に貼ってみるなど、まずは温かい雰囲気を演出してみましょう。
ここで鍵となるのは、便座に座ったときに足が床に届くということ。足が床につかなければ、子どもはトイレで排泄するのに必要な「ふんばる」という行為ができません。トイレ用のステップ(台)を置くなどして、子どもの足が届くように工夫をしてあげましょう。
『はじめの親子教室』でも、一般のご家庭にあるような大人用トイレにステップを設置して子どもと一緒に使っていますが、たったそれだけのことで「これなら自分でできそうだ!」と子どもたちは自信を持てるようです。ステップは、市販されているものもありますが、お子さんの足を載せて踏ん張れる高さのものであれば、小さなバケツを逆さに置く、といった代用品でもかまいません。
いろいろ工夫してみても子どもにとってトイレが特別な場所になってしまっている場合は、おまるを使うのもアリです。いつもの安心できる空間に置いて、まずはトイレをすることは特別なことじゃないと感じてもらいましょう。 そうやって子どもがトイレに行きたくなったときにすぐに行ける環境を用意してあげることで、抵抗感を取り除いてあげることが大切です。
片付けはちょっと大変かもしれませんが、とにかくトイレに行きたがらなくて困っている方はぜひ試してみて!
2つ目は、子どもの感覚をトレーニングすることに重点を置いてみる。 トイレトレーニングというと「自分からトイレで排泄できるようになる」というゴールばかりを意識しがちですが、そのためには本人が「トイレに行こう」と思えるかどうかが重要な通過点となります。その気持ちのきっかけになるのが、感覚的な刺激です。
思い切ってパンツにしてみても
おしっこが出てオムツやパンツが濡れて「気持ち悪い」という感覚に、まずは気づくようになることが大切です。一方で、今の紙オムツはとても性能がよいので、この濡れて気持ちが悪いという感覚をつかむのが難しくなっているのも事実。思い切ってパンツにしてみると良いでしょう。生地が厚手のものや、濡れても外に浸み出しにくい素材でできているトレーニングパンツなどを活用すると、お掃除するお母さんの負担も軽減できるので良いかもしれません。
そして最後に一番大切なのは、お母さんが必死になりすぎないこと。お母さんの焦りが無言のプレッシャーとなっていることがよくあります。子どもってそういう雰囲気を敏感に感じ取るので、まずは肩の力を抜いてリラックスしてください。だってオムツはいずれ必ず外れるんです。 濡れてしまったときは、慌てず、怒らず、落ち着いて、「おしっこ出たね。着替えようか」と、何でもない当たり前のこととして振舞ってあげてください。きっと少しずつできるようになっていきますよ!
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撮影/花田梢
小原希美(おばら・のぞみ)
幼稚園教諭としてモンテッソーリ教育と出会い、専門知識を深めるために単身渡米。創設者マリア・モンテッソーリの流れを汲む本場の専門教育を受け、教師資格を取得。その後も米国内にて3年間乳幼児施設に勤務し、経験を積む。15年間の教諭・保育士経験で延べ2,000名以上の子どもたちと関わる。 恵比寿にある『はじめの親子教室』ではモンテッソーリ教育をご家庭でも手軽に取り入れられるよう工夫した独自メソッドにて日々指導にあたっている。
はじめの親子教室 https://hajimenooyako.com/
Instagram @hajimenooyako