2020年1月16日

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】

育児雑誌などで活躍中のママカメラマン、成田由香利さんによるスマホカメラの写真術。子どもを撮るときのアドバイスを教えていただきます!

逆光写真にまつわる話

みなさん、あけましておめでとうございます。 お正月、いかがお過ごしでしたでしょうか?  帰省した先や旅先で写真はたくさん撮れましたか?

今回のスマホ術は、「逆光」についてお話ししていこうと思います。 写真やカメラに関連する本を読んでいると、 光が被写体に差し込む方向を「順光」「斜光」「逆光」と、だいたい3種類に分けて説明されていることが多いのですが、この「光の種類」を選ぶことによって、撮れる写真の印象が随分と変わってくることはみなさんご存じでしょうか?

正面から当たる光(順光)は、くっきりとしていて色彩が強い印象の写真になりますし、斜めから当たる光(斜光)は、被写体に立体感が出て、表情をより豊かな印象にしてくれます。逆光で撮った写真は、ふんわり柔らかい印象のものが多いですね。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像1

順光の写真。子どもたちの正面から光が当たっているのがわかります。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像2

斜光の写真。向かって右側に大きな窓があり、 そこからの光で撮っています。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像3

逆光の写真です。子どもたちの背後に窓がありますね。

お持ちのスマホのアルバムの中にある写真はこの3種類の光のうちどれで撮っているでしょう? 自分が好きな「光の感じ」を探すような視点でアルバムを見返し、それがどこから光が当たっているかを少し考えながら写真をながめてみると、今度写真を撮る時に、自分の好きな光を再現しやすくなってくると思いますよ。被写体に立ってもらう位置を変えてみたり、自分が撮る方向を変えてみたりしながら、試してみてくださいね。

今回ご紹介する「逆光」は、この3種類の光の中でも、いろんなバリエーションの写真を撮ることができる光です。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像4

夕焼け時の逆光写真は、影も長く伸びて綺麗です。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像5

冬の朝の光の逆光写真は白く淡い光のようです。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像6

白銀の世界で撮ったこの逆光写真は、雪の反射で、顔まわりも明るく写っています(眩しそうですね)。

逆光は、後ろから差し込む光が手前の明るさとの差が大きいほどシルエットのような写真になりますし、逆に、その差が小さいと、光を背負っているような、ふんわりとした写真を撮ることができます。スマホカメラでは、タッチをして明るさ補正する機能もありますので、どこに明るさを合わせるか、色々なところをタッチしながら、逆光の度合いを調整して撮ってみてくださいね。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像7

この写真は、全体的に明るい空間で撮ったので、顔の表情も見える状態での逆光写真になりました。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像8

この写真は博物館の休憩スペースで撮ったもので、手前側が結構暗かったので、シルエット写真になりました。動きのあるポーズをしているときのシルエット写真は、とても面白いので、機会があれば、狙ってみてくださいね。

屋外での逆光写真はなかなか難しいなあと思われる方でもこのようにお部屋の中で窓をバックにして撮ることから挑戦していただければ、ちょっとずつコツがわかってくるのではないかと思います。 家の中であれば、窓の光がきつくても、薄いカーテンをかけたり、障子を立てたりして 逆光の具合をコントロールすることができますよ。

今年もみなさんがたくさんの楽しい写真が撮れますように。 そしてこのコラムが少しでもそのお手伝いになるように、 書いていきたいなあと思っています。 どうぞよろしくお願いします。

それではまた。

今週の一枚

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像9

今週の一枚は、「順光」の写真です。木陰で遊んでいた息子の顔だけに、夕日の光が当たっています。木陰の部分に明るさを合わせて撮っていたら、息子の顔は白トビしていたところでしたが、顔に明るさを合わせて撮ることが間に合った一枚です。なにせ小さな子どもたちは瞬く間に違う遊びにうつってしまうので、撮りたい瞬間を撮り損ねてしまうこともしばしば。

息子は夕日の方向に当時好きだったおもちゃのてっぽうを向け、ピロピロピロ〜とかわいい音を鳴らしていました。小さな息子たちを連れて散歩していると、五分とかからない距離も、あっちへ行ってどんぐりを拾い、そっちへ行っては「おかあさんきてー! ダンゴムシがいるよー!」としゃがみこみ、少し道をひき返したと思ったら、振り返った瞬間、なにかのヒーローになりきっていたり、家まで永遠にたどり着けないのではないかという気さえしたものですが、今思えば、あらゆるものに触れ、喜びを表していたなんとも愛らしい姿だったんだなあと感じます。写真を見返すとその時の気持ちまで思い出されるなんて不思議ですね。

逆光写真にまつわる話【ママカメラマンのスマホ写真術・11】の画像10成田 由香利 
なりたゆかり/カメラマン。1980年生まれ。秋田県出身。大学在学中に写真にめざめ、夜間の写真学校に通い学ぶ。その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学3年と1年の息子二人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。
Instagram @naritayukari_p
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