2019年9月12日

「笑って笑って!」はNG。撮影現場で子どもの笑顔を引き出すコツ、教えます!【ママカメラマンのスマホ写真術・3】

育児雑誌などで活躍中のママカメラマン、成田由香利さんによるスマホカメラの写真術。子どもを撮るときのアドバイスを教えていただきます!

みなさん、こんにちは。 子どもの誕生日や七五三のような記念日、あるいは日常のなかでも、お子さんのポートレート写真を残しておきたいと思うときはありませんか? スナップ写真のような動きのある写真もいいけれど、静かにカメラと向き合う我が子も見てみたい。けれど、いざ撮り始めると、走り回ったり白目をむいたりする姿に、カメラを構えながらイライラ。そんな経験もあるかもしれません。何と言っても相手は元気いっぱいの子どもたち。被写体としてはなかなかのツワモノです。 そんなわけで、 今回はお子さんのポートレート写真をスマホで撮るときのコツをお伝えしようと思います。

「笑って笑って!」はNG。撮影現場で子どもの笑顔を引き出すコツ、教えます!【ママカメラマンのスマホ写真術・3】の画像1

長男3歳のお誕生日記念のポートレート。大好きな人形と。

背景がごちゃごちゃしていない場所を選ぶのがポイント

まずは、お子さんを撮る場所についてですが、ポートレート撮影のとき、特にスマホで撮るときは、 場所の選び方がとても大事です。スマホで撮った写真は、写り込んだ全てのものにピントがあっているような印象になる、という特徴があるからです。 

お家の中であれば、白い壁の前。外で撮るときもなるべく背景がごちゃごちゃしていない、抜けのいい場所を探してみてください(「抜けのいい場所」については記事の最後にご説明しますね!)。なおかつ、室内でも屋外でも横からたっぷり光が差し込む場所があれば、そこがおすすめの撮影場所と言えます。横から当たる光でお子さんのお顔に陰影ができると、表情に躍動感が出て、写真がぐっとよくなっていきますよ。

「笑って笑って!」はNG。撮影現場で子どもの笑顔を引き出すコツ、教えます!【ママカメラマンのスマホ写真術・3】の画像2

もう6年前の写真。沖縄旅行のお土産にお揃いのシーサーTシャツをもらったので記念に。携帯カメラで。

「動かないで」「笑って」「こっち向いて」はNGワード!

もうひとつ大事なことは、撮影をするときのお子さんへのお声がけです。 いつもと違う環境やシチュエーションだと、子どもたちは、緊張や興奮から走り回ったり、落ち着きがなくなってしまうこともあるでしょう。そんなとき、ついうっかり、「動かないで」「笑って」「こっち向いて」なんて言いがちですが、これはNGワード。この3ワードを連発すればするほど、お子さんの気持ちが頑なになってしまう可能性があります。

「今から撮るよ」とお声がけするよりも、しりとりやなぞなぞをして、撮られることから意識を少しそらしつつ、撮り始めるのもひとつの手です。 私が普段キッズのモデルさんを撮影する際もやはり緊張や興奮で落ち着かなかったり、撮影が長びいてくると今度は飽きてきて、スムーズに撮れない場合があったりします。そんなときは、その子の様子を見ながら、わざと大げさなポーズをつけてみたり、立ち位置から小さなクッションボールを投げさせるなどの遊びの中で、まっすぐ立った瞬間や、視線がカメラの方を向いたときを狙い撮りしたりもします。

また、椅子などに腰掛けてもらったり、足元にシールを貼って立つ位置を印し、そのシールを足で踏んで隠すことをゲームのようにして、ここ!という居場所を作ってあげるとうまく撮影が進むことが多いです。お子さんの普段のキャラクターに合うお声がけはどんなものか、いろいろ試してみてくださいね。

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息子たちを撮るときも、飽きてきたら、大げさなポーズをつけて、気分を盛り上げます。

「笑って笑って!」はNG。撮影現場で子どもの笑顔を引き出すコツ、教えます!【ママカメラマンのスマホ写真術・3】の画像4

お子さんが照れてしまうようなら、横向きで撮ってみるのはいかがでしょう。 正面とは違ったよさがありますよ。

スマホのカメラは、一眼レフカメラに比べて威圧感がないこと、さっと撮れることが長所です。子どもたちを撮っていると笑ったり怒ったり、着ているものが着崩れたり、いろんなことが起こりますが、そんな様子もキャッチしていくと思い出になりますよ。

お子さんの気持ちは目まぐるしく変わるもの。その日の心とからだのコンディションによってできることも大きく変化します。時には思うように撮れないときもあるかもしれませんが、そんな時はあまりがっかりせずに、別の機会にまた挑戦してみてくださいね。 お子さんといつものように触れ合いながら撮っていくうちに、きっといつもとちょっと違うお子さんの表情を撮れるようになってくると思います。

それではまた次回。

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長男の七五三記念の写真を撮っているときに飽き飽き。 そんな様子もいい思い出です。

今週の一枚

今回「抜けのいい場所を探そう」というお話をしましたが、「抜けがいい」という言葉が聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんね。抜けがいい場所というのは、すっきりした場所、見通しのいい場所のこと。 こちらの写真も抜けのいい場所で撮ったポートレート写真です。 海辺にある水族館に行った帰り、駅に向かう道すがら、階段を登ってふと振り返ると、海が開けていて、夕方の光がとっても綺麗ないい景色でした。ポートレートを撮るときは「ピースはナシよ」が子どもたちとの合言葉。じっとカメラを見つめる視線に、ぐっときてしまいました。 抜けのいい場所。皆さんも探してみてくださいね。

成田 由香利 
なりたゆかり/カメラマン。1980年生まれ。秋田県出身。大学在学中に写真にめざめ、夜間の写真学校に通い学ぶ。その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学3年と1年の息子二人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。
Instagram @naritayukari_p

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