子どもの成長がひと目でわかる、写真の撮り方【ママカメラマンのスマホ写真術・2】
育児雑誌などで活躍中のママカメラマン、成田由香利さんによるスマホカメラの写真術。子どもを撮るときのアドバイスを教えていただきます!
みなさんこんにちは。 夏休みいかがお過ごしでしょうか。
たくさん遊んでたくさん食べて、ぐんぐん成長していく子どもたち。
ふとした瞬間に、「あれ? なんだか大きくなったな」なんて思うことありますよね? 今回のスマホ写真術は、そんな子どもたちの成長を視覚的に感じられる写真の残し方をお伝えしたいと思います。
大きさが変わらないものと一緒に撮り続けること
赤ちゃん時代は月単位でぐんぐん成長するので、わかりやすいのですが、幼児くらいになると子どもの体の大きさの変化は緩やかなので、一枚の写真で見ると「大きくなった」感じが意外と伝わりにくいことがあります。そんなときは、お子さんのサイズと比較になる何かと一緒にお子さんを撮るようにすると、とてもわかりやすくなります。
例えば、 お子さんがいつも使っているイスやソファなど、大きさが変化せず、生活の中でよく使うもの、遊ぶことが多いものを比較対象にするといいと思います。
公園のお気に入りの遊具やお気に入りの大きなぬいぐるみなんかもよさそうですね。
一回だけではなく、期間をあけて何度か撮りためると、あとで写真を並べたときにお子さんの変化がよく見えてきます。撮るときには、なるべく毎回同じ画角で撮るようにすることがポイントです。
お子さんのサイズの変化に、より視線が行き、面白みが増しますよ。
我が家の場合は……、ソファと息子たち
我が家では、保育園時代の息子たちが、朝、二人がけの小さなソファで、 絡まりながらテレビをぼんやり見ている姿をよく目にしていて、 狭そうなのになんとか収まっているのがおかしくて……。それがきっかけで撮るようになりました。
写真を撮っている間に、体のサイズの微妙な変化により、くつろぐ体勢がだんだん変わっていって、それが後々見返していて面白かったです。
この写真は上の写真から1か月後。兄のお尻を枕にしている弟。
さらに数か月後。家にあるクッションと座布団をたくさん集めて、 体勢が辛くないように工夫しているようにも見えます。
お尻が半分落ちかけていたり、クッションの上に座ってしまっていたり、もうなんでもありな状態ですが、見返したときに気づくこともあったりして面白いですよ。
上の写真から3年。先日二人がソファにいるところを撮ってみたところ……、
もう、全てがはみ出しています。 物差しになるものがあると、成長がひと目で明らかにわかりますね。
尺度になるものがないなあ、思いつかないなあという場合でも、 同じシーンの写真をコレクションしていくことは、家族写真を残していく中でとってもオススメな方法の一つです。
誕生日のときの嬉しそうな表情やいろんな体勢になっている寝姿など、きっとそれぞれのお父さんお母さんが幸せを感じるシーンがあると思います。そういったシーンをぜひ撮りためてみてくださいね。
お子さんの写真を残すときに、カメラに向かってニッコリの写真ももちろんいいけれど、 何かのアクションをしているシーンの切り取りは、その場を真空パックするみたいでいいものです。動作がある写真は撮りにくいイメージがあるかもしれませんが、 スマホカメラでは、動きがあってもわりと綺麗に撮れるので、 動作の撮影にもどんどん挑戦してみてくださいね。
今週の一枚
今回のテーマが「成長の記録」……、ということにちなんで、今週の写真は、生後2日目の次男と長男2歳。産院のお部屋でのひとコマです。 出産後、産院に来てくれた長男が、私の隣で眠る小さな弟に衝撃を受けて大泣きし、疲れて寝てしまったところで撮った写真です。今や次男も大きくなり兄と同じような身長で同じサイズの洋服を着ていますが生まれたてだと2歳差でこんなにも大きさが違うんですね。
何気ない写真でも、撮った写真は時間の経過とともに、家族の中で価値が増していくものなのだなぁと感じるようになりました。怒った顔も笑った顔も、散らかった部屋の中で撮った一枚も、なんとなく捨てられない、最近です。
それではまた次回。
なりたゆかり/カメラマン。1980年生まれ。秋田県出身。大学在学中に写真にめざめ、夜間の写真学校に通い学ぶ。その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学3年と1年の息子二人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。
Instagram @naritayukari_p