絵本作家いぬんこさんインタビュー「展示テーマは『おちゃわんかぞく』の『おちゃわん祭り』」【後編】
NHK連続テレビ小説『おちょやん』オープニングやNHK・Eテレの小学生向け知的エンターテインメント番組「シャキーン!」のイラストなどでもおなじみ、絵師で絵本作家のいぬんこさん。前編に続き、後編では、『おちゃわんかぞく』をモチーフにした「おちゃわん祭り」など、参加したイベントでのお話などを伺いました。
※kodomoe web2017年7月掲載のインタビューを再編集しています。記事の内容は取材当時2017年のものです
東大阪出身。嵯峨美術短期大学卒。浮世絵や大津絵、引札など日本の大衆絵画に影響を受け、それを現代の感覚で描きつないでいきたいと精進中。絵本に『おちゃわんかぞく』(林木林・文 白泉社)、「おかめ列車」シリーズ(好学社)、『こけしのゆめ』(チャンキー松本・文 学研教育出版)、『うれないやきそばパン』(富永まい、中尾昌稔・文 金の星社)、『ここにいるよ ざしきわらし』(荻原浩・文 朝日新聞出版)、大幅加筆して復刊された『おかめ列車 嫁にいく』など。
お茶碗人形がずらり!
おちゃわん祭りの展示を公開
―― 大人の文化祭、みたいで楽しいですね。「おちゃわんかぞく」の展示について教えてください。
今年の展示テーマは、絵本『おちゃわんかぞく』をモチーフにした「おちゃわん祭り」で、晩ごはんが終わったあとでおちゃわんかぞくとその仲間たちが、夜な夜なちゃぶ台の上で繰り広げる、ひみつのお祭りがイメージです。
今回はイベントも含めて6日滞在したんですが、3日くらいかけて作りました。1日目は佐渡のみなさんに頼んでいた、いらない食器類を集めて洗ったり。2日目は、それに顔を描いて、着物を着せて。3日目は、飾り付け。
最初、3台のちゃぶ台は低かったんです。ほかの部屋のみなさんは、施工を現地スタッフに頼んで大がかりに準備していたのですが、私は「設営は自分でやります!」と自分で決めていたのです。でもいざとなったら、なんだかこぢんまりとさびしい感じがして……。結局全部ばらして、先生机の上に設営し直しました。
―― ひとりひとりが魂を持っているみたいな作品ですね。
使う器は、せっかくだから佐渡島のものを使いたいと思って、いらない食器やてぬぐいをお願いして集めてもらいました。使い古して汚れたものや、ひびわれたものに顔を描くと、すごくいい感じになりました。見に来た子どもさんたちも、生きてるみたい! ってすごく面白がってくれました。
ご近所の農家さんに、装飾用に稲穂をひと苗分けてもらいに行ったら、すすきや花々もたくさんいただいて、全部飾ったらなんだかお供えみたいになったのもまた、ご愛嬌でしたね。このお茶碗人形たちは販売して、すべて次回の運営資金にしてもらうことにしました。
絵本の読み聞かせやサイン会
体育館では盆踊りまで!?
会場で『おちゃわんかぞく』を読み聞かせしてる親子を見てたら、読みながら、「こちょこちょ〜!」としたり、絵本の中のおちゃわんたちと一緒に「いただきます!」や「おかわりジャンプ!」したり楽しんで読んでくれていて、とってもうれしかったです!
いぬんこさん、ありがとうございました!
そして、コドモエの絵本『おちゃわんかぞく』は重版出来! 2015年発売の初版からじわじわと売れ続けています! 表情豊かなキャラクターたちと、日常の隙間にある、ちょっぴり不思議な世界。ぜひ味わってみてくださいね。
※kodomoe web2017年7月掲載のインタビューを再編集しています。記事の内容は取材当時2017年のものです