2020年7月6日

姿勢が悪い、よく転ぶ……。遊びの中で運動能力をアップさせる方法【保育士さんの「育児のウラワザ」vol.7】

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家庭で育児をしていると、自分の育児がこれでいいのか、心配になることがあります。今回は、「運動能力」をテーマに、運動遊び専任保育士で、テレビ番組の運動遊びコーナ監修なども行っている堀内亮輔さんにお話を伺いました。

姿勢が悪い、よく転ぶ……。遊びの中で運動能力をアップさせる方法【保育士さんの「育児のウラワザ」vol.7】の画像1 保育士:堀内亮輔さん
ほりうち りょうすけ/社会福祉法人葛飾福祉館運動遊び専任保育⼠、プレイリーダー。YOHO Life Community主宰。保育士養成校(大学・専門学校・高校)兼任講師、NHK「おかあさんといっしょ」のガラピコにんじゃしゅぎょうを監修。全国各地で運動遊びや保育に関する研修会講師・親⼦イベントのプレイリードを⾏っている。

姿勢の良さは赤ちゃんの生活から始まっている!?

――普段から姿勢が悪くて、くにゃくにゃ歩いていたり、すぐ転んでしまうのが気になります。運動も苦手ですが、小さい頃は仕方ないのでしょうか。体幹はどうやって身につけていくものですか?

堀内:歩きはじめの子どもがすぐに転ぶのは、今後ケガをしにくい体を身につけていくために必要な「経験」です。転ぶことによって、身を守る転び方や転ばないようにする身のこなし方を覚えていきます。そしてたくさん歩くことで、足の筋力も安定していきます。また、体幹がつくかどうかは、赤ちゃんのときの生活からもう始まっています。

親御さんは、生後9カ月で歩き出すと「もう歩けた!」と喜ぶんですが、ハイハイ期は体幹を作っていく大事な時期でもあるんです。ハイハイによって腹筋や背筋、体を支える力がつき、バランス感覚を身につけていきます。早く歩けるようになって嬉しい親心は共感できますが、歩けるようになった後の体の育ちを考えると、ハイハイ期を大切にしてほしいと思います。乳幼児によく見る番組の体操に、歩く動きだけでなく、四つばいで動くハイハイや転がる動きが入っているのもそのためなんですよ。なので、ハイハイ期や歩けるようになった後も、トンネルや傾斜を作って、くぐる、はうというような動きを遊びの中に意識して取り入れるといいですよ。

幼少期というのは、人間に必要な基本的な動きを習得する時期。基本的な動きというのは本来 84種あって、それはスポーツだけではなく、日常生活をしたり、何かを表現したり、労働 (仕事)をするために必要な動きなんです。山梨大学の中村和彦先生は、84種の動きを36の動きにまとめて、かたよりなく動きを身につけることを薦められています。文部科学省の「幼児期運動指針」にも、幼児期において獲得しておきたい基本的な動きとして、以下の動作が掲載されているんですよ。

【体のバランスをとる動き】
立つ、座る、寝ころぶ、起きる、回る、転がる、渡る、ぶら下がるなど
【体を移動する動き】
歩く、走る、はねる、跳ぶ、登る、下りる、はう、よける、すべるなど
【用具などを操作する動き】
持つ、運ぶ、投げる、捕る、転がす、蹴る、積む、こぐ、掘る、押す、引くなど

この動きを生活の中でまんべんなく体験させてあげるのが、姿勢を良くする第一歩だと思います。いかに遊びの中に取り入れるかが大切ですね。姿勢や体幹のためにいろいろな動きに挑戦するのではなく、遊びの中でいろいろな動きを経験すると、結果的に良い姿勢や体幹が身についているという考え方が正確だと思います。遊びの中で必然的に使われる動作にバリエーションがあるほうが、全体の運動神経は良くなります。動きの引き出しをたくさん持つことが大切なんですよ。
姿勢が悪い、よく転ぶ……。遊びの中で運動能力をアップさせる方法【保育士さんの「育児のウラワザ」vol.7】の画像2

運動能力は楽しみながら向上することが基本

――具体的には、どんな遊びがおすすめですか?

堀内:そうですね、たとえば……
・親がティッシュを投げて子どもがキャッチする遊び(歩く、はねる、捕るなど)
・親子で向き合って真似っ子ダンス(はねる、跳ぶなど)
・親子でうつ伏せになって向き合いジャンケンをしてあいこになったらどっちがはやく起き上がれるか勝負(寝ころぶ・起きるなど)
・新聞紙を丸めてアルミホイルでくるんだボールを使ってキャッチボール(歩く、持つ、投げる、捕るなど)
などがあります。

体一つあれば、お家にある身近な物だけで、楽しみながら運動能力をアップすることができます。なかでも体幹を意識したいのなら、体に力を入れる遊びや低姿勢運動を取り入れると、腹筋・背筋を自然と使うのでおすすめです。たとえばタオルを使って引っ張り合いをしたり、タオルを頭の上にのせて落とさないように高這い(四つんばいでお尻をあげる)で歩くといった遊びも楽しめます。「鍛えよう」と思うより、楽しみながら遊んでいるうちに鍛えられているというのが大切です。

 

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