2018年4月22日

保育士さんの“育児のウラワザ”vol.1 ~だいすけお兄さん、盛り上がる遊びを教えて!

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家庭で育児をしていると、ときどき、自分の育児が本当に大丈夫なのか、心配になることがあります。遊び方、叱り方、食べさせ方、寝かしつけ、トイレトレーニング…。
この連載では、育児の悩みや保育のコツについて、保育士さんにお話をお聞きします。
今回は「遊び方」について。「kodomoe」本誌の2018年2月号でごきげん遊びについてインタビューした、だいすけお兄さんに、初回限定のスペシャルゲストとして遊びのコツを伺いました!

ゲスト:横山だいすけ
よこやまだいすけ/千葉県出身。2006年に国立音楽大学音楽学部声楽学科卒業後、劇団四季に所属。NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の「うたのお兄さん」を2008年4月から2017年3月まで務め、9年間の歴代最長出演記録となる。

保育士:小林祐輔
こばやしゆうすけ/にじのき保育園園長。キッズスマイルカンパニー所属のあそび歌作家。保育士として勤務しながら、日常の保育から生まれたオリジナルのあそび歌、触れ合い遊びを創作する。親子コンサートの他、保育者向け、幼稚園教諭に向けての研修会の講師も勤める。

わざとテンポを崩すのが、子どもの興味をひく秘訣

――だいすけお兄さんはNHKの「おかあさんといっしょ」の11代目うたのお兄さんとして、小林さんは保育士兼あそび歌作家として、それぞれ子どもたちと遊ぶプロフェッショナルでいらっしゃいますよね。
お母さん達が家庭でできる、おすすめの遊びって何かありますか?

横山だいすけさん(以下、だいすけ):
おすすめ、というと、何かな~。
さあ「遊びをしよう」というより、子どもの興味をひくことから始まって、遊びになっていく感覚が近いかもしれません。
ぼくは、子どもとの会話の中で、集中力がなくなってきたときなどに、テンポ感を変えたりして遊びにつなげています。
「おかあさんといっしょ」のときは、歌う前に練習をするんですけれど、少し集中を高めるために「ねえ、みんな聞いて」と言った後に、(そのまま話を続けず、ロボットのように)急にピタッと動きを止めたりするんです。
そうすると、子どもたちも何事かと思って、はっとする。
そういう感じで、まず注意をひきつけるっていうところから始めています。

その後の歌の練習でも、わざと普通より低い音域で歌うとか、いままでの流れを崩してみると、子どもも「えー!」ってなるんですよ。
低い音って、子どもの中にない音域なんですよね。
話している最中、急に「(男爵のように低い声で)そうなんだよ~」なんていうと、プフッと笑ったりします。
子どもが笑ってくれたら、今度は突然高い声を出してみたり…。

小林祐輔さん(以下、小林):
ぼくら保育士も、そういう「静」と「動」というのは大切にしているんですよ。
ゆっくり動いた後、急に速く動いたり、逆に騒がしいところだったら、静かに見てるだけとか、速くしゃべったり遅くしゃべったり、リズム感を出すと、子どもは「あれ、何だろう?」と思って、こちらに興味を示してくれますね。

だいすけ:
へえ、「静」と「動」って言われているんですね。
急に変えてみるっていう意味では、こういうことで遊びながら歌うことは多いです。
たとえば、「おべんとうばこのうた」では、普通に歌った後に、大きいおべんとうを作ったりしますよね。
でも「ショウガはちっちゃいのでいいかな。すっごいちっちゃいの作ろう」と言うと「えーっ、ちっちゃいの!?」って反応してくれたりする。
「アイアイ」も普通に歌うだけでなく、途中で「(すごく険しい顔で)アイアイアイアイアイ」と高速でせわしなくしてみると、「速い~!!」って笑ってくれたりします。

小林:
そういうの、子どもは絶対、喜んでくれますね!
ぼくは、「笑顔の花」という、いないいないばあに似た歌あそびをよくやるんですけど、ちょっと顔を隠してから、ぱあっと笑いかけたり、変な顔をしたり、いろんな表情をします。
これをすると場のスイッチが変わって、子どもがのってきてくれるんですよ。
この歌遊びは、お母さんが疲れているときも、子どもに笑顔を向けられるようにと作ったものなんです。
※「笑顔の花」はkodomoe本誌2月号にて、小林さんがご提案したものをだいすけお兄さんが実演しています

だいすけ:
そう、遊びのときの表情って、すごく大事ですよね。
表情で「楽しい」ということを大人のほうから発信していけるように、いつも意識しています。
「楽しませよう」と思って何かするだけだと、子どもって相手がどういう気持ちなのか、すぐ察しちゃうんですよね。
たとえば苦手な食べ物を食べるときなども、そういうじゃないですか?
「食べなさい」と言っても食べないのに、「わあ、おいしい!」って言うと、子どもも「どんな味なんだろう?」って興味を持ってくれたりする。
親御さんが、子どもをどれだけその気にさせられるか、というところが、一番のポイントだって聞いたことがあります。
遊びでも、いかに自分自身が楽しめるか、その楽しさを子どもと共有できるかということが、遊びで盛り上がれるコツなのかな、と思っています。

子どもが遊びにはまる「3回」の法則

――子どものテンションが上がっても、それを持続させることが難しいというお悩みをききます。そのあたりはどうですか?

だいすけ:
ぼくは、子どもたちを歌でもっと元気にさせたいとき、体を縦にゆらす動きを入れてるんですよ。
たとえば大人でも、音楽にのるときって「イエェェェイ!」って縦にのるじゃないですか。
年齢によっても違うんですが、体を横揺れにする曲より、ジャンプなどで縦揺れになる曲のほうが盛り上がるみたいです。赤ちゃんでも抱っこすれば、上下に動かせますしね。
1番はジャンプ、2番ではジャンプに手の動きをつけてみたり、次は足の動きをつけてみたり、のってきたら技を増やしてあげれば、それだけでも楽しくなります。

小林:
小さい子なら、親と一緒に手をつないだり、一緒にまわったりしても楽しいですよね。
ぼくらも長く遊ぶときは、子どもたちの反応を見ながら、遊び方を変えていきます。
遊びを持続させたいとき、保育士の中では「3回繰り返せ」と言われていて、
同じことを3回繰り返すと「はまる」といわれます。
1回目に反応がなくても、3回やると笑ってしまうという。

だいすけ:
大阪のお笑いみたいですね。

小林:
そう、3回やると、「上からタライが落ちてくるよ」みたいなお約束が、もうわかるんです。
子どもたちは「来る!」ってわかってても、おもしろいんですよ。
もし3回繰り返してもはまらなかったら、次の遊びにいかないと難しいかなと感じます。
あとは、もしはまったとしても、自分の中では「子どもが満足しきるまでやり続けない」っていう1つのセオリーがあるんですよ。
たとえば、いないいないばあで「もう一回!もう一回!」って言われたときでも、
「今日はここまで」と言ってやめるんです。

だいすけ:
ピークが来る前にやめるってことですか。

小林:
そうです。ピークが来る前にやめておくと、逆に「ほしくなる」というか。
そうすると1週間という長いスパンでこの遊びが続けられるんです。
でも「もう疲れたからダメ、おしまい!」ということではないですよ。
集中力がなくなるまでやりきらず、「これは楽しかったな、またやりたいな」という状態を残しておくんです。

――逆にやってくれなきゃ嫌だーって泣き叫ばれたりしませんか?

小林:
もちろん、一回目はダメなことはあります。
でも「じゃあこれ明日もやろうね」とか、「ご飯食べて、寝る準備ができたらもう一回やろうね」とか、次の楽しみとしてとっておくことを繰り返していくと、最終的に長い期間遊べます。
何回か繰り返して定着したら、これは約束として生活リズムに変わっていきます。
「これやったら、楽しいことが待っている」という、楽しみに変わるんですよ。

――確かに生活の中で、子どもに合わせて遊びきっていたら、大人が疲れてしまうこと多いかもしれません。ちょっと遊んで、ごはんを食べて、また遊んで、お昼寝して…と繰り返せたらいいですよね。

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