忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの？　

今月の「我が家のごはん日記」をご担当いただくのは、料理教室「くにたちの食卓　いづい」を主宰する、料理家のいづいさちこさんです。世の中は引き続き、“STAY HOME”ということで、休校の日々が続いていますが、そんななか、食べ盛りの3人のお子さんと毎日にぎやかに食卓を囲んでいる、といういづいさんに、日々のごはんを紹介していただきます！

いづいさちこさんちの食卓　＃week1

はじめまして。「くにたちの食卓　いづい」を主宰するいづいさちこです。季節の料理教室やキッズ教室の開催をメインに、書籍や雑誌、SNSでのレシピの提案など、日々「食」に関わる時間を大切にしています。夫と、中学生の長男、小学4年生の次男、小学2年生の娘の、食べ盛りにぎやか5人家族です。

普段は家族それぞれの生活があり、朝ごはんも晩ごはんも時間差、お昼ごはんについてはおべんとうの人あり、給食の人あり、わたし自身はレッスンで生徒さんと一緒に、がほとんど。みんな揃ってテーブルを囲むのは週末くらい、なのですが、今は毎日みんなでテーブルを囲む日々。

こんなことは今までにもなかったし、きっと、これからもないはず。いつかこんな日々のことを思い出すこともあるはず……、そんな備忘録も兼ねて、日々のごはんについて綴ってみたいと思っています。

＜月曜日・昼＞

おうち生活の日々。ほぼ毎日3食みんなで、の日々。お昼ごはんはやはり手軽なワンプレートもの、特に我が家ではパスタがすっかり定番に。今日のお昼はナポリタン。

冷蔵庫の野菜をあれこれとベーコン少々。パスタを大鍋でゆでながら、その上に目ざるをポチャン、で、固い野菜は一緒にゆでます。

パスタがゆで上がるころに、隣のコンロでオリーブ油を入れたフライパンに火をかけて、ゆで上がりをあたたまったフライパンに一気に入れて、ケチャップを入れます。パスタにケチャップがほどよく混ざったら、野菜やベーコンを加え、仕上げにお好みで生クリームまたはバターを加えると、ケチャップだけでは味がとがりがちなナポリタンにコクが出ます。

そして、お皿に盛ってから最後にEXVオリーブ油をたらりたらり。大人分にはイタリアンパセリを散らして。子どもたち好みのメニューであっても、きちんと大人のおいしさも楽しみたいものです。

みんなでテーブルを囲む日々。食べ終わる頃に長男が、隣の次男が楽しみにとっておいたベーコン1切れをパクッと、でひと騒動。いつも以上に大騒ぎな毎日です。

＜火曜日・朝＞

平日の朝はパンだったり、グラノーラだったり、はたまたお茶漬けだったり。なるべくはみんな同じもので、と思いつつも、普段は食べる時間も少しずつずれていたり、ということで、何パターンかの中からそれぞれが食べたいものを選ぶ、そんなスタイルに。

ここ最近はチーズトーストも多く、我が家ではホームベーカリーが大活躍。ホームベーカリーで焼いたパンをスライスして、ケチャップをぬって、チーズをのせて。食べる直前にスープをあたためながら、トースターで焼き始めます。

起きるタイミングがみんな違うので、時間差攻撃が多いけれど、今日はずらり並べてみると、なかなかいい眺め。フルーツを添えて、できあがり。ヨーグルトは食べたり食べなかったりなので、お好みでどうぞ、のスタイルに。

＜水曜日・夜＞

我が家定番のキーマカレー。玉ねぎのみじん切りさえしてしまえば、あっという間にでき上がる時短レシピ。……でありながらも、きちんとおいしく、翌日のおべんとうのおかずや小さなおかずのリメイクにも大活躍、ということで定番中の定番。

仕上げにあればガラムマサラを加えると香りとコクがぐぐっと増します。それから仕上げにおろしにんにくとおろししょうが。ここがポイント。最後に加えるとまるでハープ感覚で爽やかな仕上がりに。

キーマカレーに添えるのは、シンプルなおかずたち。我が家では、まさに取り合いになるほどに家族全員が大、大、大好きな筍。筍シーズン到来で、時間がある今だからこそ、週末にせっせと湯がいて、あれこれ楽しむ日々です。

私が一番好きな筍料理は、シンプルに、筍のグリル。下茹でした筍を食べやすい大きさに切り分けて、オリーブ油で焼き色が軽くつくくらいに両面焼きます。熱々をマヨネーズにしょうゆ少々、をつけながら。それから、長男作、ほうれん草のお浸しに、次男作、玉子焼き。みんなで筍取り合いの夕ごはん。

＜木曜日・昼＞

毎日続く1日3食ごはん作りの生活。運よくも、作ることが嫌になる、ということは今だにないのですが、自分の味に飽きることはもちろん、あり。

今日は近所のおいしい焼き立て食パンとお気に入りのスーパーのメンチカツを調達してきて、サンドイッチランチ。

テーブルにはスライスしたパンと、野菜やチーズ、卵ペーストなどをずらりと並べて。あとはみんなが思い思いにサンドするスタイル。サンドしてそのまま頬張るもよし、サンドしたものをぎゅぎゅっとラップで包んで半分に切り分けるもよし。フィリングがこれでもか！　というくらいにふんだんに入れられるのが魅力。

レッスンでも感じることなのですが、テーブルにて自分たちで挟んだり、のせたりと、仕上げながら頬張ると、その臨場感も加わっておいしさがぐっとぐっと増すから不思議です。まさにおいしさの相乗効果。

＜土曜日・おやつ＞

 今日のおやつはいちごのフルーツサンド。フルーツサンド、難しそうなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は生地は食パンで手軽だし、こちらのレシピは生クリームに同量のマスカルポーネチーズを加えているので、クリームにほどよい固さがあり、カットがしやすく、作ってみると、あらできちゃった、そんな感覚がうれしい一品。今日は娘もはりきってフルーツサンド作り。

マスカルポーネにコクがあるので、スイーツとしての満足感も。おやつにすると、あっという間になくなってしまうので、１切れは自分用にキープして、はちみつたらりとブラックペッパーを利かせると、驚くほどに気の利いた大人スイーツに。

……と、子どもたち好みの日々にも、大人エッセンスを忘れないように。意地でも（笑）！

いづいさちこ 

「くにたちの食卓　いづい」主宰。 静岡県生まれ。オーガニックレストラン、懐石料理店、 パン屋さん、料理教室のインストラクターなどさまざまな経験を生かし、 2004年夏より自宅にて料理教室を始める。 季節の料理教室やキッズ教室の開催、 カフェのメニュー開発、料理やお菓子の注文販売など。 著書に『箱詰めもてなしレシピ』、『箱詰めおやつの贈りもの』、『続けられるおべんとう』(ともに誠文堂新光社)、『箱詰め名人の持ちよりベストレシピ』（家の光協会）がある。 ３児の母。
Instagram :@kunitachinoshokutaku_izui
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