2023年1月10日

『ころりん・ぽい!』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより 第341回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子の読み聞かせにこんな絵本はいかがですか。

『ころりん・ぽい!』
ひらぎみつえ/作 ほるぷ出版 1045

発売になったばかりのkodomoe最新号、2023年2月号で発表の第15回MOE絵本屋さん大賞2022部門賞「ファーストブック賞」。
昨年までの「パパママ賞」に代わり、0・1・2歳におすすめしたいファーストブックを全国3000人の書店員さんによる投票で決定したランキングです。
記念すべき第1回の第1位には、しかけ絵本『ころりん・ぽい!』が選ばれました。

厚みのあるページに、繰りぬかれた白いコース。
わっかの形をした黄色いボタンをひとつ、コースにそってころがしていくと、最後は水色のポケットに、ぽい。
あれ、なくなっちゃった?
いえいえ、大丈夫。
絵本を逆さにしてみたら、ボタンがぽろん!
いないいないばあみたいに、ちゃんと出てきました。
今度は、わっかの形の赤いトマトがふたつ。
ころりん、ころりんところがして、お鍋に入れられるかな?

あかちゃんの目をとらえる色、ボタンやトマトがくるくるまわる手触り、心地よいリズムのテキストで、視覚・触覚・聴覚のすべてに楽しくはたらきかける絵本。
そして紙製の絵本とは思えないくらい、どのしかけの動きもとてもスムーズ。
小さなあかちゃんの指でもなめらかに動かせるので、何度も繰り返し楽しめます。
角が丸くページの厚い丈夫な造りは、おでかけのおともにも大助かり。
『ころりん・ぽい!』は、「あかちゃんがよろこぶしかけえほんシリーズ」の一作。
ページの中にあるしかけを指で動かすと楽しい変化が起きる人気シリーズは、既刊23作、累計なんと200万部。
さらにこの2月には24作目の『でるでる!おばけちゃん』が刊行予定と、作者ひらぎみつえさんのアイディアは、とどまるところを知りません。
kodomoe本誌2月号では、ひらぎみつえさんの貴重なインタビューの他、ファーストブック賞の全ランキングや最終ノミネート作品を発表。
絵本をよく知る書店員さんのお墨付きファーストブック、その豪華ラインナップを、ぜひ誌面でご覧ください。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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