2021年7月14日

『やまとうみのゼリー』【今日の絵本だより 第224回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『やまとうみのゼリー』【今日の絵本だより 第224回】の画像1『やまとうみのゼリー』
井上コトリ/作 小学館 1430円

本日7月14日は、ゼリーの日。
前回はこちらのゼリーの絵本をご紹介しましたが、続けて2冊目はこちら。
表紙からほのぼの感満載の、『やまとうみのゼリー』です。

小高い山のてっぺんに、たたずむ船。
のっけから不思議な始まりですが、これはただの船ではありません。
近づいてみると、こう書いてあります。
「やまとうみのゼリー かんてんゼリーのみせ」。
このお店の店長さんは、タコヤマさん。
以前は海で、今は山の上で暮らしながら、海の海藻でできた寒天と、山で集めた材料を使って、オリジナルゼリーを作っています。
さあ、今日もカートを押して、材料を集めに出かけます。

タコヤマさんはまず最初に、”ミントの もり”で深呼吸。
次に”すずらんの こみち”で、ほんのり甘いすずらんのミルクを集めます。
それから、”たまごばたけ”でたまごの実を、”サトウソウと シオソウの はらっぱ”でサトウソウの実を集めます。
材料がそろったら、お店に戻ってゼリーづくり。
「すみれとミントのつぶつぶゼリー」、「すずらんミルクといちごのゼリー」、「あかいベリーとあおいベリーのゼリー」……、他にもたくさん!
どれも素敵に愛らしいものばかり。
これ、お子さんはきっと「あそこにあったよ!」とページをめくって、それぞれの材料を見つけてくれますね。
でも、自慢のゼリーが並んで開店準備ができた頃、タコヤマさんに思わぬできごとが……。

タコヤマさんもご近所の仲間たちも、みんなどこまでもマイペースで、ユーモラス。
全編さわやかな色味で彩られながら、ほんわり温かい気持ちが残る、なんとも幸せな空気感のお話なのです。
一度読んだら、ゼリーを見るたびにタコヤマさんを思い出してしまうかも?
ちょっとお疲れ気味の大人も、きっと気持ちがゆるゆるほぐれていく一冊です。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

 

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