2021年6月28日

『パフェをつくろう!』【今日の絵本だより 第220回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『パフェをつくろう!』【今日の絵本だより 第220回】の画像1『パフェをつくろう!』
新井洋行/作 ほるぷ出版 1045円

6月28日は、パフェの日。
それにちなんで昨年はこちらの絵本をご紹介しましたが、今年はこちら。
『パフェをつくろう!』は、そのタイトル通り、パフェづくりごっこが体験できる絵本です。

絵本を縦に開くと、まず扉のページには、テーブルとコースター。
本の背が下辺になるように置いて、さらに下向きに開いていくスタイルが新鮮です。
扉をめくると、どーんと大きなパフェグラスが現れました。
「この おおきな グラスに
 なにを いれようか。
 まずは いちごソースを いれましょう。」
すると横から、
「はーい!」
の声が。
ページをめくるたびに、
「つぎに なまクリームを
 のせましょう。」
「こんどは ブルーベリーソースを
 かけましょう。」
と、レシピがひとつずつ進みます。
そのたびに
「はーい!」。
うん、このセリフは、お子さん担当ですね。
ページをめくるごとにグラスには、いちごソースや生クリーム、ブルーベリーソースがひとつずつ増えているので、お子さんは自分でその都度素材を入れて、パフェを作っている気持ちになれるはず。

さあ、11の工程を経て完成したのは、画面からはみ出しそうな、大迫力のスペシャルパフェ。
最後のセリフだけ
「はーい!」
ではないのが、またいいのです(ほんのちょっと違う!)。
最初から最後まで画面はパフェグラスの定点観測、人物の絵は指すら一切出てこない、いさぎよいこの絵本。
だからこそ、読んでいる子どもと大人が、物語の主役になれますね。

「いっしょにたのしく おりょうりたいけんえほん」と銘打たれたこの作品は、同じ新井洋行さんによる『ハンバーガーをつくろう!』(ほるぷ出版)も発売中。
2冊そろえてメインとデザート、おなかいっぱい贅沢に楽しむのもいいですね。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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