2021年4月1日

『まんぷくよこちょう』【今日の絵本だより 第200回】

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『まんぷくよこちょう』【今日の絵本だより 第200回】の画像1『まんぷくよこちょう』
なかざわくみこ/作 文溪堂 1650円

少し先ですが、4月5日は横丁の日。
絵本『まんぷくよこちょう』で、一冊丸ごと、横丁散歩気分を味わってみませんか。

今日は、おじいちゃんのおうちのご近所、まんぷくよこちょうの「ふくのいち」の日。
おじいちゃんとたあちゃんのふたりで、手をつないで出かけます。
「どなたも いらっしゃい いらっしゃい!」
横丁の入口では、焼き鳥屋さん「とりやす」から香ばしいにおい。
惣菜屋さん「あじよし」で「いもがら」を買うのが、おじいちゃんのいつもの決まり。
(いもがら、なんとも滋味深いお味なんですよね。)
甘味喫茶「きんぎょ」のショーケースには、おそらく年季の入った、パフェやプリンアラモードのサンプル。
「おいしそう〜!」
と、たあちゃんが見ていたら、
「ひひひ、おいしいわよ〜」
と、ショーケースのかげから、喫茶店のうめばあさん。
お店の人とお客さんの距離が近いまんぷくよこちょうでは、気軽なおしゃべりがいっぱい。
「おあじみ どうぞ!」
なんて、漬物屋さん「漬太郎」の男前な3代目に言われたら、ついたくあんも買っちゃいますよね。
細い小路を進んだ駄菓子屋さんの奥には、横丁の守り神のたぬきさん。
お薬を買い忘れたおじいちゃんを待つ間、たあちゃんがたぬきさんにおそなえして手を合わせたら、
「えーー!?」
びっくりするようなことが起こりました……。

前見返しの「まんぷくよこちょうおかいものマップ」と、後ろ見返しの「たあちゃんとおじいちゃんがかったもの」を見くらべて、「なるほど、ここを通って、ここでこれを買って……」と読み返すと、「あれ、この人、さっき見かけた人だ」とか、「こんなところに、こんなものが!」とか、見るたびいろんな発見が。
「まんぷくよこちょう」がまるで自分にも前からおなじみの場所のように、あっという間に親しく、懐かしく思えてくるのです。
そうだ、最初に横丁の入口から言われてましたね。
「どなたも いらっしゃい いらっしゃい!」って。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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