2021年3月3日

『ねたふりゆうちゃん』【今日の絵本だより 第193回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ねたふりゆうちゃん』【今日の絵本だより 第193回】の画像1『ねたふりゆうちゃん』
阿部結/作 白泉社 本体1200円+税

 暦も、もう春。
ひだまりの中でうとうとするのが、気持ちのよい季節がやってきました。
そんな今の時期にぴったりの絵本、本日3月3日発売の『ねたふりゆうちゃん』をご紹介します。

ゆうちゃんは、いつでもどこでも、ねたふりするのが大好き。
椅子の上でも、階段でも。
こんなところや、あんなところでも。
ねたふりしてると、いつもおかあさんがゆうちゃんのところにやってきて、ふわってだっこして、おふとんに入れてくれるから。
ゆうちゃんはそれがとってもうれしくて、だからいつもねたふりするのです。

ある日お母さんと公園に行ったゆうちゃんは、木もれ日の下で横になって、ここでもやっぱりねたふり。
目をつむって、ふわってだっこされるのをじっと待っているけれど、トイレに行ったおかあさんはなかなか帰ってこないみたい。
おかあさん、一体どうしたのかな?
心配になったゆうちゃんが、待ちきれず目を開けると……。

ねたふりしてるときのあのくすぐったさに、「気づかれたらどうしよう」のドキドキと、「気づかれなかったらどうしよう」のハラハラと。
息をひそめているあのひとときが、なんとも素敵に思えてきて、ゆうちゃんみたいにねたふりをして誰かを待ってみたくなります。
絵本と同じく3月3日発売のMOE4月号では、「注目の作家インタビュー」にて、作者阿部結さんのインタビューが掲載されています。
また、『ねたふりゆうちゃん』紹介動画も、ただ今You Tubeで公開中。
ナレーションを務めるのは、阿部結さんの姪のゆうちゃん。
ゆうちゃんのパチパチする目がかわいい動画、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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