2020年11月21日

『ボタン』【今日の絵本だより 第171回】

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ボタン』【今日の絵本だより 第171回】の画像1『ボタン』
森絵都/作 スギヤマカナヨ/絵 偕成社 本体1200円+税

11月22日は、ボタンの日。
それにちなんで、ボタン好きの心をくすぐるキュートな絵本、『ボタン』をご紹介します。

パパとママの部屋のクローゼットの奥にある、四角い大きな缶の箱。
それは、あたしの大好きな箱。
ふたを開けると、ほら、ボタンがいっぱい!
小さいボタン、大きいボタン。
丸いボタン、四角いボタン。
赤、青、緑、黄色……。
葉っぱ、貝がら、にんじんの形、それからなんだかわからない、へんてこな形。
洋服作りが好きだったママが、古い洋服を手放す時に、はずして取っておいたボタンたち。
「どんな ふくに ついてたのかな?」
とあれこれ考えてみるのが、あたしは大好き。
うん、きっとママと同じく、お洋服好きなんですね。

「ボタンを みてると、いろんな ママが みえてくる。
 あたしの ママじゃ なかった ころの ママ。
 はじめての デートは どんな ふく?
 どんな ボタンの ふくで わらって、
 どんな ボタンで ないてたの?」

いつまでもボタンに夢中のあたしを見て、ママがそのボタンをたっぷりつけたワンピースを作ってくれました。
世界に1枚の、ママの思い出のボタンでいっぱいのワンピース。
お話の最後のセリフは、娘からママへのさりげない、でも愛にあふれたメッセージ。
こんな一言があったら、きっとママには一生心の支えになるだろうと(当社比)、思い出すたびにうるっとしてしまうのです。

ところで、ボタンのお話なのに、表紙にある文字が「COOKIES」なのが、不思議ではないですか?
読み終わった後に「……ああ、そういうこと!」と気がついて。
ますますじんわりしみてくる、胸の奥に大切にしまっておきたくなる一冊です。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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