『いちごパフェエレベーター』【今日の絵本だより 第138回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『いちごパフェエレベーター』
石崎なおこ/作 教育画劇 本体1100円+税
6月28日は、パフェの日。
まさにこの日にぴったりの絵本、『いちごパフェエレベーター』はいかがですか。
さあみなさん、いちごパフェエレベーターに、ようこそ。
このエレベーターのご案内係は、パティシエのパフェスキーヌ。
これからお客様を、ぴったりのフロアまでご案内致します。
うれしそうにエレベーターに乗り込むのは、カステラさん、バナナさん、バニラアイスさん、いちごさん、チョコさん、グミさん、マシュマロさん。
「それでは しゅっぱつします!」
ガッシュン!
と扉が閉まって、しゅぃぃいいん……。
チーン!
2階に到着です。
ここは、いいにおいの漂うスポンジ工場。
「カステラさんは ふわふわと おおりください」
カステラさんは、手を振って降りていきました。
パフェスキーヌの案内通りに、バニラアイスさんは5階のアイスの雪山で、バナナさんは7階のリゾート・バナナで、チョコさん、グミさん、マシュマロさんはそろって10階のお菓子の遊園地で、それぞれ降りていきました。
最後にひとり残されたいちごさんに、にっこり笑いかけるパフェスキーヌ。
「つぎ、さらに のぼりますので
きあつの へんかに
ごちゅういください」
さあ、いちごさんは何階まで行くのでしょう?
エレベーターのドキドキとパフェのワクワクが合わさって、ページをめくるごとに幸せな気持ちがふくらんでいきます。
みんなが降りていくそれぞれのフロアでは、たくさんのおいしい仲間たちが待っていて、その楽しそうな景色に思わず目がハートに。
そして、全員集合のラストの場面に、なーるほど!
甘くて、おいしくて、かわいくて。
スイーツの魔法がぎゅっとつまった、そして読み終えると絶対に、パフェが食べたくなってしまう一冊です。
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。