2020年5月27日

『じごくにアイス』【今日の絵本だより 第131回】

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『じごくにアイス』【今日の絵本だより 第131回】の画像1『じごくにアイス』
ナカオマサトシ/作 澤野秋文/絵 ひさかたチャイルド 本体1300円+税

少しずつ夏を感じさせる日ざしも増えてきて、おいしいアイスが恋しい季節がやってきますね。
今日はそんな初夏にぴったりの新刊、『じごくにアイス』をご紹介します。

いつも公園に車でやってくる、おいしいと評判のアイス屋さん。
お店のお兄さんの名前はこたろう、アイス作りが大好きです。
今日もごきげんで開店準備中に、早速女の子がやってきました。
「おにいさん、アイス くださいな」
「いらっしゃい。
 ちょっと まってよ。
 おっとっと」
急いだこたろうは、足をすべらせて、スッテーン!
こたろうを呼ぶ女の子の声が、どんどん遠ざかって……。

気がつけば白装束で、川岸に立っていたこたろう。
そこへやってきたのは、鬼の舟。
「おまえたちを えんまさまの ところに つれてくで。」
「おいおい、えんまさまやて……。
 うち しんだんかいな……」
よくわからないまま、えんまさまの「さばきのへや」にやってきたら、突然起きた大火事の消火を手伝うことに。
鬼たちもこたろうも格闘すること数時間、ようやく火が消え、みんな疲れて座り込んでいます。
「ふぅ~、つめたいもんでも たべたいなぁ」
そうつぶやいた鬼に、こたろうが言いました。
「うち、アイスっていう あつさを ふきとばす たべもの つくれるで」
さあ、こたろうはいきなりやってきたこの地獄で、おいしいアイスをつくれるのでしょうか……?

地獄×アイスの組み合わせが新鮮で、とてもテンポのよいこのお話。
読み聞かせにあきっぽい子でも、最後まで夢中にさせる予感がします。
バックに描かれた地獄の様子も、個性豊かな鬼たちも、あちこちユーモラス。
こたろうとずっと一緒にいる猫ちゃんも、いい味出してますよ。
そして読後のおともには、牛乳と卵たっぷりでできたアイスを、どうぞお忘れなく。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

 

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