2020年5月22日

『かめくんのさんぽ』【今日の絵本だより 第130回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『かめくんのさんぽ』【今日の絵本だより 第130回】の画像1『かめくんのさんぽ』
なかのひろたか/作・絵 福音館書店 本体900円+税

5月23日は、世界亀の日。
それにちなんで今回は、『かめくんのさんぽ』をご紹介します。
おやっ、と思う方もいるでしょうか。
そう、ロングセラー「ぞうくんのさんぽ」シリーズの、最新作です。

池から顔を出した、小さなかめくん。
「さんぽに いこう」
と歩いて行くと、わにくんが寝ています。
「いっしょに さんぽに いこう」
と声をかけますが、わにくんは
「いまは おひるね。
 さんぽは あとで」
と、ぐうぐうぐう。
「それなら、わにくんのうえを さんぽしよう」
と、かめくんはえっちらおっちら、わにくんの上を歩いて行きます。
そうして、かばくんに会っても、おひるね中。
だからかめくんはかばくんの上を歩いて、えっちらおっちらうんとこしょ。
次に、ぞうくんに会っても、おひるね中。
だからかめくんはぞうくんの上を歩いて……、と思ったら、うわーっ!

かめくん、わにくん、かばくん、ぞうくん。
なかよしたちのマイペースなおさんぽと、その中で起きるハラハラ、そして安心のラスト。
優しいリズムにわかりやすい起承転結、シンプルな言葉の繰り返しが、読んでいてここちよいシリーズです。
シリーズ4冊のお話は、いつも変わらぬ安定の空気感ですが、『ぞうくんのさんぽ』がこどものとも版で初めて世の中に出たのは、1968年。
実に50年来の、長きに渡るおさんぽなのですね。
もちろん『ぞうくんのさんぽ』を読んだことがないおうちも、『かめくんのさんぽ』から読んでも、まったく問題なく楽しめます。

読み終わって裏表紙を見たら、そのまま表紙側も広げて一続きにしてみてください。
ちゃんと起きている、大きなぞうくんの頭の上に乗って、おさんぽするかめくんの気持ちよさが、一段と深く伝わりますよ。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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