『こねこのきょうだい グルグルとゴロゴロ ~ビスケットこうじょう~』【今日の絵本だより 第110回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『こねこのきょうだい グルグルとゴロゴロ ~ビスケットこうじょう~』
江川智穂/作 小学館 本体750円+税
2月28日は、ビスケットの日。
ビスケットの語源はラテン語で「2度焼かれたもの」の意味。
また、1855年(安政2年)2月28日、水戸藩士の蘭医・柴田方庵が、長崎でオランダ人から学んだビスケットの作り方を手紙で水戸藩に送ったことから、この日に制定されました。
そこで今回はビスケットの出てくる絵本、『こねこのきょうだい グルグルとゴロゴロ ~ビスケットこうじょう~』をご紹介します。
くろねこのグルグルとしろねこのゴロゴロは、わんぱくきょうだい。
今日はおこづかいをもらって、ビスケット工場へ。
ビスケットの自動販売機のボタンを押してみましたが、あらら、今日はなぜかビスケットが出てきません。
工場の中に入っておじさんに声をかけたら、おじさんはすっかりねぼう中。
あわてて飛び起きて、大急ぎで今日の分のビスケットをつくり始めます。
グルグルとゴロゴロも
「ぼくたち てつだうよ」
と、大きなビスケット生地の型抜きを手伝います。
最初は順調だったのですが、グルグルが生地の上で
「つるり どしん!」
としりもち。
それを見て笑ったゴロゴロも、転んで生地の上にダイブ。
「おじさん ごめんなさい」
としょんぼりしますが、台なしになった生地を見て、おじさんにいい考えが……。
いつもおそろいの服がかわいいきょうだいねこの、楽しいお話。
14Pのお話を3話収録なので、読み聞かせで「今日は短めのお話がいいな……」というときにもおすすめです。
もし「ぜんぶよんでー」となったら、そこはご家庭の判断で(笑)。
現在シリーズで6冊が発売中、その内『ビスケットこうじょう』を含む3冊は、英語版も出ています。
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。