2025年9月1日

「パンダやライオンはなぜ、むし歯にならないの?」新刊絵本『1回3分 むし歯にならない絵本』が発売されました。【メイキング&筆記インタビュー】

専門医の視点から

岩本先生・青木先生に、この本の監修を引き受けていただいた思いなどを伺いました。

ーー岩本先生は小児歯科のご専門ですが、この絵本で 子ども・お家の方それぞれに、もっとも伝えたかったことは何でしょうか?

岩本 子どもの歯みがきは、育児の中でも特にストレスがかかる大変な習慣です。むし歯の仕組みを理解して甘いものを控えれば、少し歯みがきを楽に考えることができます。心も体も成長する大切な時期です! 子どもの健やかな成長を願い、おやつを選択・工夫するとよいでしょう。甘いおやつは、お子さんが歯や歯みがきの大切さを理解してから楽しむのがおすすめです。

ーーkodomoeではこの絵本の発売に合わせ、子どもに歯みがき習慣を身につけてもらう動画を作成・公開。岩本先生には内容のほとんどを作っていただきました。動画、いかがでしたか?

岩本 絵本で基本を学び、動画をみながら歯みがきを実践する、そして仕上げみがきの必要性も理解できる、とてもよい流れになっています。大人自身も改めて歯みがきを見直す良い機会になると思います。ただし、大人の歯みがきと子どもの歯みがきの仕方は全くちがいます。これはあくまでも子どもの歯みがきの仕方ですので、その点は注意してください!

歯みがき動画はこちら

ーー青木先生は特に歯周病のご専門ですが「お口の健康」について、家庭で気をつけること、実行して欲しいことは何ですか?

青木 家族全員がしっかり歯みがきを行い,お口の中の細菌をできるだけ減らし、むし歯と歯周病を予防することが重要です。そのためには、家庭での正しい食生活と口腔衛生習慣が必要です。できればお子さんは、幼少期から歯科医院で正しい歯みがきの仕方を習い身につけ、食習慣と口腔衛生についてよく学んで十分な知識を持ち、定期的に歯科医院で検診と専門的クリーニングを受けることが大切です。そのためには、良い歯科医院を見つけることが重要です。

ーー「お口の健康」は近年特に注目されていますね。

青木 口腔衛生が全身の健康へ及ぼす影響が非常に大きいことが、徐々に明らかにされつつあります。お口の中の細菌をできるだけ減らして良好な口腔衛生を保ち、むし歯や歯周病などの口腔疾患をコントロールすることは、全身疾患の予防や悪化防止、健康寿命の延伸など、全身の健康に大きな効果があり、さらには死亡率の低下や医療費の抑制にもつながります。口腔機能は、「食べる」「話す」「笑う」だけでなく、「歩く」「考える」ことにも影響しますので、お口の健康は社会的に非常に重要な課題です。

ーーこれからの予防歯科について、課題・期待することなどお聞かせください。

青木 歯科医院が、むし歯や歯周病が悪くなってから初めて通うようになる、治療で痛い思いをする不快な場所から、定期的にお口の中を検査して、さらに専門的にクリーニングしてもらい、お口の中がすっきりとして気持ちよくなる快適な場所になっていくことを期待しています。

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