『おだんごダイブ』が 単行本になりました!絵を担当した小池壮太さんにインタビュー【最新号からちょっと見せ】
kodomoe2022年10月号の付録絵本が単行本になりました! 本物みたいなもちもちの質感と、無邪気な表情が多くの読者をとりこにした『おだんごダイブ』。大人気の『おやつトランポリン』に引き続き、絵を担当した小池壮太さんにお話を聞きました!
かわいすぎてふるえる……!!
『おだんごダイブ』
大塚健太/文 小池壮太/絵 白泉社 1430円
飛び込み台に並んだおだんごが、あつあつのお湯にドッボーンとダイブ! ゆであがったら、みたらしの池や、きなこの丘……たくさんの味つけに飛び込んで、おいしいおだんごに大変身。巻末には、おいしいお月見だんごの作り方も掲載。
子どもの頃に見たものが
そのまま絵本になってます
――今回の絵本も、緻密な表現とユーモラスなキャラクターのバランスが愉快です。
ぼくの絵本の絵は、子どもの頃クリスチャンの両親と見ていたヨーロッパ絵画と、好きだった「ぬ〜ぼ〜」っていうお菓子のキャラクターの融合なんですよね(笑)。背景は均一に塗ることもできるけど、油絵で何色も混ぜて塗り重ねてます。よく見るとすごく複雑なんです。子ども向けだからと単純化するのではなくて、複雑なものを複雑なまま受け入れて、絵本の絵を楽しんでほしいと思います。
――大塚さんのリズミカルな文章との相性もばっちりです。
『おやつトランポリン』がおかげさまで好評で、2作目をと言ってもらったときに、前作でも登場したおだんごだったら、まだまだ描けるなと思いました。柔軟性のある形と、目と口の単純な三点で作る表情に無限の可能性があるんですよね。大塚さんがトランポリンの次はダイブというアイディアを出してくれて、決まったなと。
――2歳の息子さんの育児中です。
この作品の絵を描いているのを見て「もちもち〜」って言うんです。『おやつトランポリン』のおだんごのセリフなので、「わ! 覚えてるんだ」と驚きました。息子は『おだんごダイブ』はまだ読んでいないんですが、単行本ができたら一緒に読もうと思います。ぼくの絵本を拒否されるときもあって、そのときはちょっと傷つきますね(笑)。
死ぬ直前、人生への後悔で一番多いのは「もっと子どもとの時間をとればよかった」ということだと聞いて、人の言うことは聞いておこうかなと、こういう職業だし、できるだけ一緒に過ごすようにしてます。共働きなので保育園には1歳から行っていて、制作の締め切り前は預けっぱなしですが、締め切りがないときは家で過ごしたり。後になれば「あっという間」ってよく聞くけど、渦中にいるとめちゃくちゃ長いですね!
――子育てしていて、心がけていることはありますか?
今2歳半なので、なんでもやりたがるじゃないですか。この時期の自主性を、成長しても残せたらと思ってるんです。忍耐が必要ですけど、やりたがったら、できるだけやらせるようにしています。こぼしたり大変ですけど。子どもって時間がかかるので、前倒しに予定を組んでいます。そうすると余裕を持って付き合えたりする。ギリギリで予定してるとやめさせなきゃいけなくなるんです。でも子どもって即興的な生き物だから、そのときのやりたい! という気持ちを大事にしたいんですよね。
――忙しい毎日の中で難しいです。
例えば、時間が3時間あって水遊びに行くと忙しくなっちゃうけど、この歳の子どもって別に親といられればよくて、あとは見立ての想像力でなんでもやっちゃうから、実際プールに行かなくてもいいんですよね。家で細長いもので掃除機の真似して遊んで1時間。それで十分満足。忙しいからそれをする暇がないってなるより、詰めこまないで、やりたいようにやらせる余裕を持ちたいと思っています。やる気まんまんの自主性のある子になってほしいですね。
小池壮太
こいけそうた/1977年、東京都生まれ、京都府在住。画家として油彩で風景・静物画を制作する傍ら、絵本作家としても活動。主な絵本作品に『おやつトランポリン』(大塚健太/文 白泉社)など。
『おやつトランポリン』LINEスタンプ発売中!
前作『おやつトランポリン』がLINEスタンプとしても発売中! キュートな見た目&動きもかわいいスタンプが、会話のアクセントになるかも。『おだんごダイブ』のもちもちおだんごのスタンプも!
小池壮太 個展情報
●9月7日(木)〜13日(水)
ぎおん美先 古門前
「pop up dango!」
(『おやつトランポリン』LINEスタンプ原画など展示販売)
●9月20日(水)〜26日(火)
井筒屋小倉本店美術画廊
「第13回 小池壮太油絵展」 (洋画原画展示販売)
編集協力/山縣彩(kodomoe2023年10月号掲載)