レジリエンスのキーワード「自己肯定感」や「ポジティブさ」を育む絵本
レジリエンスとは、たとえ逆境や困難に直面しても、そこから立ち上がる力のこと。その考え方と、しなやかに自分らしく生きていく心を育てる絵本をご紹介します。
自分のことを好きになろう
子どもに「大好き」とたくさん伝えることで、レジリエンスに大事な自己肯定感が生まれます。
0歳〜
みーんなみんな、「ぎゅっ」が大好き
『ぎゅっ』
ジェズ・オールバラ/作・絵
徳間書店 本体1540円
動物の親子たちが次々に「ぎゅっ」。そうしたら、ジョジョもママが恋しくなって……。「たくさんの動物たちに『ぎゅっ』と言ってもらいながらお子さんを幸せいっぱいに抱きしめて。読むたびに心が温かくなります」
ポジティブでいこう
ときには空元気だっていいんです。前を向いていれば、きっといいこといっぱいやってくる。
3歳〜
あなたが決める、あなたの未来
『それしか ないわけ ないでしょう』
ヨシタケシンスケ/作
白泉社 本体1430円
未来は大変なことだらけ? いいえ、考え方ひとつできっと楽しい明日が見えてくる。「いろんな楽しい未来を考えるってワクワクしちゃう。お子さんと『これもあれもいいんじゃない!』と楽しむのもいいんじゃない!」
相手を思えば見えてくる
心を一歩寄せることで、わかること。他者への理解と共感は、自分の価値観の幅も広げます。
3歳〜
見た目の違いで、決めつけてない?
『あしなが』
あきやまただし/作・絵
講談社 本体1650円
美しい犬のあしながのことが気に入らない、のら犬たち。ねたみから悪い噂に、でも真実は? 「『みんなが言っている』って本当かな? 自分で見て確かめてみたら違うかもしれません。まずは自分から話しかけてみよう」
失敗したって平気だよ!
今の失敗は次へのステップ。深呼吸してまた前へ進めば、明日の成功が待っています。
3歳〜
自己肯定が生む「私は大丈夫」
『わたしとなかよし』
ナンシー・カールソン/作 なかがわちひろ/訳 瑞雲舎 本体1430円
わたしはいつでもわたしと一緒。だから自分を大事にするよ。失敗しても、次はきっとうまく行く! 「へこんだときに何度も助けられました。読むと『わたし、大丈夫! 明日からまた頑張ろう!』と元気が出てきますよ」
みんな違うけどそれぞれ素敵
あの人と自分は違う、それって本来あたりまえ。違いを受け入れたら、世界はぐんと広がる。
6歳〜
形は違っても、家族の幸せは同じ
『ふたりママの家で』
パトリシア・ポラッコ/絵・文
中川亜紀子/訳
サウザンブックス社 本体2530円
私たちきょうだいはみんな養子で、両親はふたりのママ。毎日笑顔であふれてるよ。「こんなに幸せな家族って理想です。偏見や差別で目の前の幸せが見えなくならないように、違いを認め合う心を持ちたいですね」
悲しみに向き合って
大切な人との別れ、届かない目標。悲しむ自分にゆっくり向き合えば、いつか必ず歩き出せる。
6歳〜
くまの心を照らすバイオリンの響き
『くまとやまねこ』
湯本香樹実/文 酒井駒子/絵
河出書房新社 本体1430円
仲良しのことりを亡くした、くま。深い悲しみの中で、旅をするやまねこに出会い……。「大切な人との別れを受け入れるには、時間だけでなく寄り添ってくれる誰かがいてくれるといい。そして、自分が次の誰かになれるといい」
選書してくれたのは
井出ひかるさん
いでひかる/JPIC読書アドバイザー、保育士。「子どもと楽しむ絵本・遊び・おもちゃ」をテーマに、サークルや園などで幅広く活動。
編集協力/原陽子(kodomoe2020年6月号掲載)