ティラノサウルスシリーズ15周年! 宮西達也さんを囲むアニバーサリーパーティー開催
大人気となった第一作目の『おまえうまそうだな』を皮切りに、今年で15周年を迎える宮西達也さんの「ティラノサウルスシリーズ」。10月14日、ポプラ社の新オフィスにて、宮西さんを囲んだアニバーサリーパーティーが開催されました。
15周年のお祝いはスペシャルケーキから!
会場に宮西さんが登場すると、まずはポプラ社から15周年のサプライズケーキのお祝いが!
ティラノサウルスシリーズのキャラクターをモチーフにしたケーキに、子どもたちもテンションが上がります。宮西さんを囲んでの記念写真も撮影しました。
ライブペインティングでは、子どもたちがかぶりつきで、宮西さんの描く様子を見つめていました。宮西さんの読み聞かせもおもしろく、みんな楽しそうに聞き入っています。そしてやっぱり、最後に涙してしまう親御さん、お子さんも。「ティラノサウルスシリーズ」は、親子愛や友情愛など、さまざまな愛の形を描く感動絵本なのです。
大人も子どもも心を動かされる愛や命の物語
このシリーズは、読み終わると胸がきゅっと寂しくなったり、報われない愛も描いています。けれど、人によってこの本の感じ方はさまざまなのだと、宮西さんは言います。
「この作品では、最後にティラノが死んじゃったと思う人と、よかったまだ生きてると思う人と両方いるんですよ。その人の生き方や背景によって、同じ絵本でも全然感じ方が違うんだなと思います。
『おまえうまそうだな』で描いた親の愛も、本当のところ、子どもたちには理解できないかもしれません。大人になってはじめてわかる内容だと思いますし、その人が背負っているもので、感じ方が違ってくると思います。いま読むのと、また5年してから読むのとで、感じ方は全然違うんじゃないでしょうか。それぞれが何かを背負いながらこの本を読んだとき、そこから命の大切さとか、愛することの大切さとかを自分なりに感じてくれているんじゃないか、とぼくは思っています」
シリーズ15冊目となる『キラキラッとほしがかがやきました』は、今年10月に新しく刊行されたばかり。本作でははじめに、意地悪ばかりしている仲間の3匹が登場します。ピンチの局面になったらあっさり裏切る友達に、ティラノサウルスは友達不信に。そこに、見た目は怖いけれど、純粋な心を持つデイノケイルスが現れます。自分が危険になっても他人を想える強さに、心を打たれる物語です。
「ぼくだって、ピンチの場面になったら、もしかしたら友達を置いて逃げ出してしまうかもしれません。そういうところは、人間の誰にだってあります。でも日ごろはいたずらしたり、いじわるしたり、人を傷つけたりしても、ちゃんとあとで悩んだり、後悔したりするじゃないですか。そういうことが、すごい大事なんじゃないかなって」
成長していくティラノサウルスは、自分自身の理想でもあるという宮西さん。読んでくれた人が「ぼくも」「わたしも」と、一生懸命頑張って生きていこうとを思ってくれたらと、前向きな言葉をタイトルに選んだのだそうです。
「愛や人間をテーマに、それが本当に正しいことなのか、本当に愛することなのか、本当はどうなんだろう、と考えさせるようなことを、これからも書いていきたいと思っています」
『キラキラッとほしがかがやきました』
作・絵/宮西達也(ポプラ社)
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/2670058.html
取材・文=日下淳子(編集ライター/元保育士)