2018年9月27日

『MAPS マップス 新・世界図絵』【今日の絵本だより 第6回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『MAPS マップス 新・世界図絵』【今日の絵本だより 第6回】の画像1『MAPS マップス 新・世界図絵』
アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ダニエル・ミジェリンスキ/作・絵
徳間書店児童書編集部/訳 徳間書店 本体3200円+税

9月27日は、世界観光の日。
子育て中だと、海外旅行なんてすっかり遠い話、という方も多いでしょう。
そんなときでもページを開けばひととき別の国に飛んでいける、素敵な一冊が『MAPS』です。

ポーランドの絵本作家夫妻が、世界の42カ国を地図とその国の名物、名所で紹介するこの絵本は、サブタイトルが「新・世界図絵」。
完成まで丸3年、中のイラストは計4000以上という労作です。
ポーランドのページを開いてみれば、地図の上いっぱいに、かわいい民族衣裳、ショパンにコペルニクス、マーモットやオークの木、王宮に、「ジュレック」や「ピェロギ」などの料理。
ひとつずつを目で追ううちに、ぐんとその国に親しみがわいてくるのは、やはり絵の力でしょうか。

日本列島には、富士山、温泉、すもう、マンガにカラオケ、招き猫。
東京スカイツリーも、ルーズソックス姿の女子高生も、執筆当時の最新情報を集めたことが推測されて、好ましく思えます。

大人も片手では持てない、ずっしりとしたこの絵本、約38cm×28cmと本棚からはみだすサイズだし、お値段もそれなりに立派です。
でも、地球儀より薄くて、家族全員で何年も読めると思えば、お得なもの。
買った頃は、開いたページにうもれそうだったうちの子が、字が読めるようになった、好きな国ができた、さらに大きくなって、飛行機に乗ってその国に行った……なんてこともあるかもしれません。
家族と一緒に長く歩んでくれる、そんな本がおうちに一冊、あってもいいですよね。
パラパラとめくるだけでも、世界への好奇心をはぐくんでくれる、一生ものの本だと思います。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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