ひといちばい敏感な子「HSC」が伸び伸び育つために、親が踏まえておきたい5つのポイントとは?
2025年2月20日

ひといちばい敏感な子「HSC」が伸び伸び育つために、親が踏まえておきたい5つのポイントとは?

周りの人の気持ちやささいな刺激にとても敏感で、「気が付き過ぎる」ゆえに疲れやすかったり不安になったり……。わが子の繊細さや敏感さが心配なママパパ、そんなわが子を理解し、伸び伸び育てるポイントを一緒に学んでいきましょう。今回は「繊細、大げさ、気が付き過ぎる『ひといちばい敏感な子』の育て方」を特集。
HSCの子どもが自分らしく育つために、親が踏まえておきたいポイントを心療内科医の明橋先生が解説。HSCではない子の子育てにも、ヒントになることがいっぱいです。

HSCとは

Highly Sensitive Childの略。感覚がとても敏感で、思慮深い性質を持つ子どものことで、1996年にアメリカの心理学者エイレン・アーロン博士が提唱した概念です。

HSCが伸び伸び育つために
大切にしたいこと

気持ちを
吐き出せる場所を
作ることが大切

「かんしゃくを起こしたり暴れることもありますが、ネガティブな気持ちを外に出すのは大事なこと。ママパパは『できなくて嫌だったね』『ぼくがやる、って次は言ってみよう』など、子どもの気持ちを言葉にして声をかけましょう。すると子どもも次第に自分の気持ちを言葉にできるようになり、暴れたりすることも減っていきます」

その子のペースを尊重し
スモールステップを大事に

「HSCは何事も自分で確認して納得してから動きたい。せかされるとパニックになったり、本来の力を発揮できないこともあるので、本人のペースを大事にしてあげましょう。できなかったことを叱るよりも、例えば『自分で起きられたね』など、小さなことでもできたことをほめるようにするといいですね」

ママパパが
自分自身をほめよう

「その子のペースを尊重していると『甘やかしすぎ』と言われることも。でもそれは試行錯誤の上で子どもを尊重した結果であり、甘やかしたからマイペースになったわけではない。そうした批判的な意見からは、ママパパはきっぱり距離を置き、大切な役割を持って生まれてきたHSCを育てている自分たちを、大いにほめましょう」

時にはそっと
背中を押してもいい

「子どものペースを尊重することと矛盾するようですが、ママパパから見て『これは絶対大丈夫』と思う場合は、背中を押すことも大切。必要以上に考えすぎたり不安がったりしているだけのこともあり、後押しのおかげで子どもがチャレンジし、成功したらそれが自信になります。あくまで“そっと”がポイントです」

心の安全基地、
逃げ道を用意しよう

「HSCは、特に初めてのことに対しては不安を感じやすい性質があります。『行ってみて嫌だったら帰ろう』『無理しなくていいように、お母さんから先生に伝えておくね』など、逃げ道を作っておくと、安心できます。その安心感が一歩を踏み出すパワーになり、本来の力を発揮できることも多いのです」

ひといちばい敏感な子「HSC」が伸び伸び育つために、親が踏まえておきたい5つのポイントとは?の画像1

ひといちばい敏感な子「HSC」が伸び伸び育つために、親が踏まえておきたい5つのポイントとは?の画像2

教えてくれたのは
明橋大二先生
あけはしだいじ/心療内科医。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。子育てカウンセラーとしても活動し、著書の「子育てハッピーアドバイス」シリーズ(1万年堂出版)が人気。

イラスト/入江めぐみ(kodomoe2022年2月号掲載)

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