感染症予防には「内側からのケア」がカギ!
2021年7月30日

感染症予防には「内側からのケア」がカギ!

長引く新型コロナをはじめ、手足口病などの夏カゼ、胃腸炎も心配なこの季節。こうした感染症を遠ざけるには、体の内側からのケアが実はとっても大切。免疫力を上げて、ウイルスや病原菌に負けない体を作りましょう!

感染症対策の盲点⁉「内側からのケア」

手洗い、マスクなどの対策はすでに親子で一緒にやっている家庭も多いと思いますが、コロナはなかなか収まる気配を見せません。内科医の石原先生によると、「感染症対策は体の外側からのケアと内側からのケアがあります。前者は、マスクや手洗いなど『体の外から異物が入ってくるのを防ぐ』ケア。後者は食事や睡眠に気をつけるなど『体の内側から異物を追い出す力を高める』ケア。感染症対策にはどちらかだけでは不十分で、外側と内側両方からのケアが大事です」。
「新型コロナにかかった人がどのような感染症対策をしていたか」について調査会社が調査した結果によると、外側からのケアの実施率に比べて、内側からのケアの実施率はとても少ないことも分かりました(下記グラフ参照)

免疫を活性化させる睡眠、食事、お風呂

内側からのケアとは主に睡眠をきちんととる、1日3食しっかり食べる、お風呂で体を温める、適度な運動、腸内環境を意識した食べ物を摂る、などです。
「寝ている間は免疫力を高める時間。睡眠時間が5時間未満の人は7時間以上の人に比べて4倍以上もカゼにかかりやすいと言われます。子どもで5時間未満ということはないと思いますが、睡眠の重要性がよく分かります。
食事は、まず3食きちんと食べること。食べる際にはしっかり噛むことも大事。唾液には免疫物質であるIgA抗体が含まれるので、よく噛んで唾液を十分に出すことは感染症予防になります。
免疫の働きを活性化させるには、腸の働きをよくするヨーグルトなどの発酵食品、ビタミンDを含むきのこ類、鮭、卵や、IgA抗体のもとになるビタミンAを含む緑黄色野菜などもしっかり食べたいですね。
夏は暑いですが、シャワーで済ませずに湯船に入ることも大事。お腹を温めると腸の働きがよくなり、湯船からあがる蒸気が鼻やのどの粘膜を潤して、粘膜中のIgA抗体を増やしてくれます」

まとめ
睡眠、食事、お風呂……これらをふだんの子育てで大事にしているママも多いことでしょう。そう、実は免疫力を高める内側からのケアは、子どもの健康と発育のために大切なこととイコール。子どもの健康を考えた生活は、感染症対策にもなるのです。引き続き親子でケアを続けていきましょう!

教えてくれたのは
石原新菜先生
いしはらにいな/イシハラクリニック(東京・江東区)院長。帝京大学医学部卒業。漢方医療を中心に自然療法、食事療法などを取り入れ、人が自然に治る力を引き出す医療を提供。テレビや雑誌などのメディアでも健康づくりについての啓蒙に尽力。

イラスト/きどふみか

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