ママの涙にまつわるフシギ
ママの涙のソボクな疑問
どうしてママばかり泣いちゃうの? ママの涙ならではのクエスチョン、有田先生に教えてもらいました。
子どもの前でママが
泣いてもいいの?
ママの涙は
子どもの脳の発達にもいい!
「泣き声やくちゃくちゃの顔etc.泣くという行為は、周りに強いメッセージを与えます。ママが子ども(自分)のことでうれし涙や感動の涙を流すと、それが強烈に印象に残り、脳を刺激。この刺激が共感脳をはぐくみ、他人の気持ちが分かる人になります。でも子どもに見せるのは、できるだけ感動やうれし涙などのポジティブな涙に。怒りやネガティブな感情の涙は、子どもを混乱させます」
パパの涙ってあまり見ない
気がするのはなぜ?
全般的にパパはママよりも
子どもとの密接度が低いから
「パパはママほど子どもと密接でない場合が多く、共感脳が活発になっていないことがひとつの理由。だから子どもとスキンシップや触れ合いが多く、子育てを積極的にしていればパパでも涙もろくなる場合も。あとは『男の子は人前で泣かない』と育てられている男性も多く、そのせいでがまんしてしまうというのもあるでしょう」
泣くよりも笑うほうが
ストレス解消にはいいのでは?
笑いは元気が出て、
泣きは心が軽くなる
「笑いと泣きは正反対の反応に見えますが、脳の働きで見るとこのふたつは似ています。ともに前頭前野の血流がよくなりますが、その変化は泣きのほうが大きいことが実験で分かっています。また、泣き・笑いそれぞれの前後で行った心理テストでは、泣きの後では緊張や不安、混乱が改善したのに対し、笑いの後では活力の増加が表れます。ともにストレスの解消になりますが、泣いた後は『スッキリ』、笑った後は『元気が出る』という傾向があります」
子どもが「ママ大好き」
ってうれし泣きしないのはナゼ?
子どもの共感脳は
育っている途中だから
「感動の涙のベースは他者に対する共感。相手のマネをしたり、喜びや悲しみを一緒に感じる経験によって子どもの共感脳は活発になっていくので、今はまだその途中だということ。共感脳の発達にはコミュニケーションが不可欠。人同士の言葉や表情のやり取りをくみ取ることで発達します。テレビやゲームなど相手からの働きかけがない、一方通行の子守りが増えすぎるのは共感脳の育ちを遅らせる要因にも」
涙のトリビア
「しょっぱい涙」は本当は存在しない!?
悔し涙はしょっぱく、悲しい涙は甘い──涙の原料は血液のため、ストレスが多いと血中のストレス物質が増えてそれが味に影響する、という考え方がベースにあるようですが、実は味のちがいは科学的には証明されていません。あくまで、そのときの心理状態によって「味がちがって感じられる」ということ。
生理前に涙もろくなるのは
ホルモンの影響だった!
生理前のイライラや涙もろさには、女性ホルモンが関係しています。生理前は女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」の分泌量が下がりますが、心の安定を左右するホルモン「セロトニン」の量もエストロゲンと同じリズムで低下することが分かっています。これが生理前の不安定な心の状態の原因と考えられます。