食材を無駄なく、おいしく使い切ろう 冷蔵庫の使いこなし術 前編
冷蔵庫が実は時短料理のカギをにぎっていたこと、ご存知ですか?
毎日、悩まず、簡単においしい料理を作りたいなら、冷蔵庫の中を見直しましょう。冷蔵庫使いの達人、フードコーディネーター平岡淳子さんの「お手本冷蔵庫」を拝見します! 前編では、冷蔵庫の1〜4段目とチルド室のスペースの活用術を紹介します。(kodomoe2017年12月号掲載)
撮影/三村健二 編集協力/橘内実佳
冷蔵庫をごはんづくりの相棒にすればぐっとラクに
「この前、買っておいたあれ、どこだったかな?」「野菜がしなってる」なんていう経験はきっと誰にでもありますよね。冷蔵庫にあるものを把握できていれば防げることですが、「それがなかなか」というのが現実。平岡さんはものの置き場を決めておくのだそうです。「みそは一番上の左、作り置きは二段目と三段目なんていう具合です。するとどこに何があるか、悩まずすぐに取り出せます」
また、買い物前には冷蔵庫の中身を確認してからでかけるのも大切。「残りものを使い切ることができる上、無駄な買い物をしなくなります」
意外と重要なポイントになる買い物のタイミングは「仕込みができる余裕のあるときに」。毎回でなくてかまいませんが、時間があると一度に仕込めるので二度手間にならず、時短になる、と平岡さん。「そのときは面倒と思うかもしれませんが、魚の切り身には塩をしておけば長持ちする上、味もよくなるし、肉に下味をつければあとは焼くだけ。野菜も一度にゆでてしまえば、すぐ添えものとして使えます」
冷蔵庫ともっと仲良くなれば、上手に時短しながら無駄なく料理が作れるコツが見えてきます。
教えてくれたのは
平岡淳子さん
ひらおかじゅんこ/フードコーディネーター。お米マイスター、野菜ソムリエとしても活躍。夫と4歳の娘の3人暮らし。雑誌や書籍、Webサイトで活躍中。自宅で主宰している料理教室も人気。著書に『決定版! 毎日食べたい! 作りおきのラクうま野菜おかず350 』(ナツメ社)など。
1~3段目
冷蔵庫の上段には作り置きのおかずや常備菜などをしまいます。段ごとにそれぞれのポイントがありますが、冷気を循環させるため、詰め込み過ぎないようにしましょう。
1段目
大きいものや頻繁に取り出さないものを置く
一番上は取り出しにくい場所なので、かさばるものや頻繁に出し入れしないものはここに。平岡家の冷蔵庫は「右上が一番冷えるので、すぐ冷やしたいジュースやビールは右上が定位置」。冷蔵庫のクセを知っておくと便利です。
1)みそ
何種類かのみそを昆布で仕切り、合わせみそにすることも。昆布のうまみがみそにしみ出し、おいしくなります。
2段目
常備菜や下ごしらえ済みのものを置く
取り出しやすく、目に留まる場所が2段目&3段目。常備菜や切った野菜などは、忘れないように2段目へ。ちなみに上の方に入れるものは蓋をあけなくても中身が外からわかるよう、透明の容器に入れるのがおすすめ。
2)カットフルーツ
色が変わらないナシなどは、一度にむいてカットしておきます。子どもが「食べたい」と言ったらすぐに出せて便利。
3)薬味
万能ねぎなどの薬味はカットしておくと、彩りに散らせる&紫玉ねぎはサラダにポンとのせればボリュームもアップ。
4) ゆでエビ・タコ
エビやタコなどは買ってきたらすぐに使える大きさにカット。下にペーパーを敷き、余分な水分を吸い取ると長持ち。
3段目
できるだけ空きスペースを用意しておく
子どもが好物のヨーグルトは、自分で取れる高さの3段目に常備。左奥に白い鍋が見えますが、普段、ここは空きスペース。煮込んだ鍋を入れたり、サラダの皿を冷やしたり。空きスペースを作っておくと、いざというとき便利。
5)キャロットラペ
千切りにんじんに塩をして水けを絞り、レーズン、松の実、オリーブオイルであえ、サラダの添えものに。※冷蔵で4日
6)オクラのだし浸し
オクラをだしとしょうゆ、酒で煮て、煮汁にひたしたまま保存。オクラの中までしっかり味がしみ入ります。※冷蔵で3日
7) 酢はちみつしょうが
みじん切りにしたしょうがを酢とはちみつに漬けただけ。しょうが風味の炒め物やあえものが即完成です。※冷蔵で1か月
8) 豚汁
豚肉と根菜、油揚げをだしで煮てみそで味つけ。みそは合わせみそにするとコクがアップします。※冷蔵で5日
9) ひじき煮
戻したひじきを油揚げ、にんじん、だし、しょうゆ、砂糖、酒で煮ます。そのままでも、ごはんにあえても。※冷蔵で1週間
他にもある!
あると便利な常備食材
・卵
・ちりめんじゃこ
・豆腐
・納豆
・中華麺