幼児期からできる「コグトレ」の課題に挑戦!【最新号からちょっと見せ】
社会で生きる力のベースとなる認知機能は、トレーニングで高めることができるんです。kodomoe8月号では、子どもが楽しく過ごすための力を引き出す、「コグトレ」のメソッドを紹介。
kodomoe webではその中から、幼児期からできる「コグトレ」の課題の一部「認知力をアップ」を紹介します。親子で一緒に取り組んで、苦手を見つけて伸ばすヒントにしてください!
コグトレ
ってどんなもの?
コグニティブ(認知)のトレーニングの略。将来、学校や社会で困らないための3つの力「認知力」「社会性(対人力)」「身体力」を改善・強化しながら、子どもを支援するためのプログラムです。
楽しく続けるポイントは?
力を伸ばすためには、継続して取り組むことが重要です。子どもが楽しめるよう、サポートしてあげましょう。
1. 強制的にやらせない
嫌がる子に無理強いするのはNG。その子に合った難易度で、興味を示す課題を選んで。
2. 他の子と比較しない
その子のペースがあることを理解しましょう。大人が伴走者となり、見守る姿勢が大切です。
3. できなくても叱らない
応援してもらい、褒めてもらうことがやる気の原動力。焦らずに待ち、できたことを認めます。
4. 目標を上げ過ぎない
取り組んだ回数や正答数など、高い目標を設定する必要はなし。楽しくできていればOKです。
認知力をアップ
見る力を強化し、視覚情報をもとに考える力を養う課題を取り上げます。ゲーム感覚でチャレンジ!
Training 1
めいろにちょうせん!
「猫は魚のところまで行けるかな? 壁に当たらないように行ってみよう」と、鉛筆や指でルートをなぞらせます。
ここが伸びる
先のルートを予測し計画的に動く力がつく!
ルートを辿る中で、集中して目で追う力や空間認知力を養います。めいろ課題はさらに、先を予測し、計画を立てて実行する力を伸ばすのにも役立ちます。難しいときは、ゴール(魚)から辿って外に出てもOK。
Training 2
どこがおかしい?
「絵の中に、おかしいところがひとつあるよ。どこだろう?」と、鉛筆で丸囲みさせるか、指で差して答えさせます。
ここが伸びる
意味や文脈から考えて「これはおかしい」と気づく
絵の中から、意味や文脈が違うところを探すときに、注意して考える力や洞察力が育ちます。「通常は何が正しいか」といった一般的な知識も必要なので、子どもの年齢や発達に応じて取り組ませましょう。
教えてくれたのは
宮口幸治先生
みやぐちこうじ/医学博士。児童精神科医。立命館大学教授。日本COG-TR学会代表理事。最新著書『どうしても頑張れない人たち~ケーキの切れない非行少年たち2』(新潮社)も話題。
イラスト/くぼあやこ(kodomoe2021年8月号掲載)