子どものソボクなギモン「なんで?」「どうして?」攻撃には、こう答える!
2020年5月4日

子どものソボクなギモン「なんで?」「どうして?」攻撃には、こう答える!

子どもの「なんで?」「どうして?」攻撃に困ったことはありませんか?
休園・休校が続く中で、子どもと過ごす時間が長くなり、毎日たくさんのギモンを投げかけられるママも多いのではないでしょうか。
子どもの世界は未知でいっぱい! 彼らのソボクな「?」にどう答え、どこまで付き合えばいいの? ありがちだけど難しいギモンへのヒントをご紹介します。

質問は成長の証
「すばらしい」と伝えて

「なんで?」は、子どもの好奇心が育ってきた成長の証。うれしい反面、答えても答えても、「どうして?」とエンドレス攻撃をくらったり、答えにくい質問に困惑した経験のあるママも多いのでは?
「大人にも都合がありますから、四六時中子どもにつきあってはいられませんよね。その場で即答できないときは、『あとで考えておくね』と答えてOK。疑問を持ち、それをママに聞けるようになったことがすばらしいのだと、まずはママの喜びや感動を、子どもに伝えてあげて」(岩立京子先生)

ママたちは悩んでいます!!
岩立先生! こんなとき、どう答えるのが正解ですか?

「真実をどこまで話すべき?」「忙しいときに限って、きょうだいで“なんで”攻め!」。 ママがキャパオーバーしそうなときに押さえておきたい、答え方の心得をレクチャーしてもらいました!

Q 6歳の長男と3歳の次男、
年齢に応じて答え方を変えたほうがいい? (マツコさん/6歳&3歳男の子ママ)

A 上の子に合わせた回答から、下の子も学習します

1人1人のときには、それぞれの発達に応じた答え方ができるかもしれませんが、2人一緒のときは、6歳の子に合わせて答え、その子が満足することが大事でしょう。下の子は、ママの答えと、上の子がそれに納得したり、再び質問したりするやりとりをかたわらで聞きながら、いろいろなことを学んでいくと思いますよ。

 

Q 「サンタさんはいるの?」と聞かれたら、どこまで真実を伝えるべき?(kjさん/2歳女の子ママ)

A 子どものイメージの世界を尊重してあげて

2歳ぐらいなら、「ママはいると思うよ。だって、クリスマスには忘れずに、サンタさんがあなたにプレゼントを持ってきてくれるでしょ」で大丈夫。サンタさんを擬人化した絵本がたくさんあるので、2歳児はイメージの世界で、サンタの存在を信じていることが多いのです。その夢を壊すことなく、一緒に楽しいことを語り合えばいいでしょう。

 

Q 「死んだらお星さまになるよ」といったファンタジーな回答や、作り話はアリ?(鯖かんかんさん/4歳男の子ママ)

A ファンタジーで優しい気持ちを育むことも

ファンタジーな回答はアリだと思います。人間の生死に関して、科学的な説明をしても、この時期の子どもには理解できません。
「おじいちゃんもお星さまになって、みんなを見守ってくれているんだよ」などと伝えて、身近な死者を偲んで温かい気持ちになることも、祖父と孫や、家族関係において、意味あるものではないでしょうか。

 

Q 毎日質問攻めで、相手をするのにグッタリ。「あとでね」とあしらってもいいの?(ふみとママさん/6歳女の子、4歳男の子ママ)

A 質問はほめて、「あとで」の理由を説明しましょう

子どもなりに理解できる理由を伝え、一緒に考えられるときには、一緒に考えればOK。ただ、子どもが疑問を持つこと、それをママにたずねられること自体が、すばらしいこと。それをママがわかって、質問を受けてくれて、一緒に考えようとしてくれることが、子どもの知的好奇心や探究心を高めることに繋がりやすいのです。

 

Q その場でうまく答えられない質問には、「ママもわからない」と言っても大丈夫?(きびだんこさん/5歳男の子ママ)

A 「わからないから一緒に調べよう」でOK

大丈夫です。「そうだよね、そういえば、なんでだろう? 不思議だね。ママも知りたいから、いろいろな人に聞いたり、調べたりしてみよう」と答えてから、パパに聞いたり、図鑑で調べたりなどすれば、考えることの楽しさや、それをめぐって人と話す楽しさ、協力して調べることの大切さも、自然とわかっていくでしょう。

「なんで?」「どうして?」に答えるときの心得

1. 「いいこと考えたね」と、まずほめよう。
2. 子どもと一緒に考えたり、調べたりしよう。
3. 幼い頃は、科学的な説明ではなく、目的を聞いている場合も。

 重要なのは、子どもが手っ取り早く回答を得ることではありません。「なんで?」を元に、好奇心や探究心で周りと関われるようになることが大切。
だから、「面白いこと考えたね」と、質問したことを一番にほめてあげて。子どもと一緒に考え、調べ、理解しやすいように支援することで、子どもが自ら探求していく心が育ちます。
 また3歳くらいでは、目的論的な思考をすると言われます。例えば「川はなんであっちに流れるの?」は、「何のために?」という目的を聞いている場合が。科学的な因果関係よりも、「きっと、あっちに行けば、大好きなお魚さんが待っているからだよ」などというと納得することがありますよ。

 

岩立京子先生
いわたてきょうこ/東京家政大学子ども学部子ども支援学科 教授。東京学芸大学名誉教授。専門は発達心理学、幼児教育学。『いい母は、いい子を作れない』(経済界)など、育て方やしつけに関する著書も多数。一男一女の母。

 

イラスト/堀道広 編集協力/田所佐月(kodomoe2018年8月掲載)

次は、
先生ならどう答える? 子どもたちの難問・奇問に、3人の先生たちが答えてくれます。お楽しみに!

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