「遊ばなくなったおもちゃとお別れ」を、子どもに納得させる方法
2019年4月3日

「遊ばなくなったおもちゃとお別れ」を、子どもに納得させる方法

知らぬ間にたまっていく「子どものおもちゃ」。成長とともに子どもの遊びのブームは変わっていき、使わないおもちゃは自然と増えていきがちです。遊ばなくなったおもちゃと上手にお別れする方法について、親子コミュニケーションアドバイザーの天野ひかりさんにうかがいました。

撮影/花田梢

「おもちゃとお別れ」には理想と現実のギャップが

気づくと部屋のなかにあふれてしまう子どものおもちゃ。もう使っていないものはこっそり捨ててしまいたいけれど、黙って捨てることにはちょっと罪悪感も。

日本マクドナルドが行ったアンケートでは、「おもちゃを手放すとき、子どもに納得してもらってから手放したいか」という質問には90%以上のママがイエスと回答。いっぽうで、「子どもに気づかれないようにおもちゃを捨てたことがある」というママも85%。 子どもに納得させたいけれどうまくいかず、実際にはこっそり捨てている、という、理想と現実のギャップを感じているママが多いという事実がうかがえます。

上手にコミュニケーションを取りながら、おもちゃとお別れするポイントはどこにあるのか、親子コミュニケーションアドバイザーの天野ひかりさんにうかがいました。

子どもは「ママが望む答え」を探している!?

「子どもに納得してもらったうえで、おもちゃを手放したい、というママの気持ちはよくわかりますが、言葉のやりとりだけで本当に納得してもらうのは意外と難しいものです。ママに好かれたいために、『ママが望む答え』を探している、というケースが意外と多いんです」と天野さん。

例えば「このおもちゃ捨てる? まだ遊ぶ?」と聞いた場合、本当はそのおもちゃにもう関心がなくても「まだ遊ぶ」と言ったほうがママが喜ぶだろう、と子どもが推測して答えている可能性があるそう。自分の中に、はっきりとした答えを持っていないものについては、「まだ遊ぶ」という肯定的な答えのほうがママに喜んでもらえると考えるのですね。

本当は子どももママも捨てても構わないと思っているとしたら、なんとも複雑です。 では、子どもの本当の気持ちを引き出すとしたら、どんな方法が?

行動の結果が見えることで子どもも納得

「有効な方法があるとすれば、行動の結果を先に見せること。そしてそれを一緒に体験することかもしれません。」と天野さん。例えば、一緒に片付けをして、すっきりした部屋を見せて「すっきりすると気持ちがいいね」と実感させる。そうすると子どもは、またこうしたい、という気持ちから、自分から片付けしたい、と行動できるようになるのだそう。

「おもちゃとさよなら」についても、自分より年下の子に使ってもらう、フリマで一緒に売るなど、行動した結果がイメージできるかどうかがカギになりそうです。

ハッピーセットのおもちゃリサイクル

昨年スタートした「マクドナルドのおもちゃリサイクル」。マクドナルドのハッピーセットについてくるプラスチックのおもちゃで遊ばなくなったものをリサイクルする、という活動です。期間中、店頭に設置された回収ボックスに入れたおもちゃが、リサイクルされて店舗で使用する緑のトレイに生まれ変わります。

昨年スタートした企画ですが、参加した親子の満足度が83%と非常に高く、それを受けて今年は3回の実施が決まっています。

緑のトレイには「ぼくはハッピーセットのおもちゃから、うまれたよ!」の文字が。(画像提供:日本マクドナルド)

「使わなくなったおもちゃが、トレイに形を変えて役に立つ、というのは、おもちゃが実際にどう変わるかということが目に見えるので子どもに理解しやすい、よい仕組みですね」と天野さん。

行動の結果がはっきりわかることで、子どもにとってはおもちゃと上手にお別れするきっかけになるかもしれません。

お別れのタイミングは子ども主導で

ただし、リサイクルするかどうかはお子さん自身に決めさせてほしい、とも。

 「大切なのはお子さん自身の気持ちです。例えばいったんおもちゃリサイクルをすると決めた子どもが、店頭でやっぱりイヤ、となった場合も、子どもの気持ちを尊重して、『じゃあ次にしようか』と声をかけられるといいですね」

 自分の遊んだおもちゃに愛着を感じるのは悪いことではありません。お別れするタイミングは、親が誘導するのではなくぜひお子さんの主導で決めたいもの。焦らずゆっくりコミュニケーションを取れるようにしていきたいですね。

マックでおもちゃリサイクル
回収期間:開催中~2019年5月9日(木)
回収場所:全国のマクドナルド
http://www.mcdonalds.co.jp/family/toy_recycle/

天野ひかり
あまのひかり/フリーアナウンサー、「おやこみゅ」NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事。
著書に『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)
おやこみゅ(web) http://www.oyakom.com/

 

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