モノも友達も大切にできる子に。お片づけで人間関係に強くなる! 前編
大人だって難しい整理整頓。子どもにお片づけをさせるなんて無理……とあきらめないで!
幼児期にお片づけで心を鍛えれば、人間関係に強いタフな子になるのです。(kodomoe2016年4月号掲載)
撮影/岡森大輔 イラスト/くぼあやこ
モノを大切にすれば友達を大切にできる子に
モノと人間の関係は よく似ています
「お友達を大切に」とよく言いますが、それは友達がたくさんいること? やさしくすることでしょうか? お友達と楽しいことを一緒にできたり、自分が困っているときに相談できたり、双方向で良好な関係であればよいですよね。
モノも全く同じです。たくさん所有していても、どこにしまったか思い出せないようでは、大切にしているとは言えません。前はよく使っていても、今使わないのであれば手放すことも必要です。友達との関係で悩むときには、少し距離を置いてもいいはず。思い出があるモノを手放すことは、子どもだってつらいこと。ましてやお友達と距離を置くことはもっと難しい。だからこそ、お片づけを通じて、子ども自身がよく考えて、モノを大切にする意味を知ることで、友達とも長くつきあえるようになっていくのです。
頭も心もやわらかい幼児期に、子どもが自分でお片づけできるようにしてあげられたら、それは、部屋をきれいにする力だけでなく、人間関係を自分から築くことのできる力になりますよ。
村上直子さん
むらかみなおこ/整理収納アドバイザー1級。200人の家を片づけてきたお片づけのプロ。中学生と小学生、ふたりの男の子のママ。
頭も心もやわらかい幼児期に考えてみよう!
タフな子どもになるお片づけの極意
01 自分の好きなモノが、自分でわかる子に
子どもは自分のことをよくわかっています。ただ、うまく表現できないために、自分からは発信できないので、「このおもちゃは好き?」「嫌い?」「よく遊ぶ?」「遊ばない?」と具体的な言葉で聞いてあげると、子ども自身もモノとの関係を理解できます。
02 今、必要なモノとそうでないモノを分けられる子に
自分が持っているすべてのモノを知っていることはとても重要です。
「今日はぬいぐるみと人形を集めよう!」と宝探しのように家中から集めて、並べてみてください。自分で集めて、その結果を確かめることで、子ども自身が、要不要や、しまい方も決めやすくなります。
03 本当の意味でモノを大事にできる子に
友達がたくさんいるから幸せではないように、モノを増やすことは幸せにはつながりません。いつでも使いたいときに、使いたいモノがどこにあるかがわかっていれば、安心感から自信につながります。「見える化」しておくことが、大切にしていることにつながるのです。
友達を大事にする意味を知る
大切なモノほどいつでもそばに
大好きな友達はいつもそばに感じていたいもの。よく使うモノもいつでもすぐに取り出せるように、リビングに置いておきたい。いつでも手が届くところに収納し、移動できるBOXなどに入れて、どこでも使えるようにしておくことで、安心感=居心地のよさに。
1 ワゴン
スイスイうれしい!
頻繁に使うものは“出したまま収納”! 子どもが小さいときはオムツ、おしりふきなどをいつでもママの手の届くところへ。成長してからは子どもが遊びたいものを、遊びたい場所へスイスイ運んで。
2 棚&マステ
しまいたくなる
モノのおうちを作るときに大切なことはスペースに余裕があること。それから、カラーリングされたケースやマーク(シール)などを使い、感覚でしまう場所がわかるようにするのもGood。
おもちゃの車はマステでPや駐車線を貼っておくといい。
3 ミニホウキ
やりたい!
棚横には、子どもが散らかしたゴミを自分で片づけられる道具も。
4 小物収納
かわいい
100円ショップの瓶型ケースに好きなものをいれて飾ってしまおう。グルーでトップにつけてもかわいい。
5 カゴ
スイッチの切り替え
読んでいる途中でもソファ下のカゴでキープすれば子どもも安心。
6 カゴ
どこでもカゴ~
リビングでもキッチンでも使えるように、文具類は「見える化」に最適なカゴへ。
年齢でモノは変わるんです!
子どものものは「旬」感が大事
毎日着る洋服や必要な育児品は、年齢によって大きく変わっていくのが、子どものモノの特徴です。来年のことを想像するのは難しいですが、イメージする力は、お片づけにも人間関係にもとても重要。変化していくことを恐れないで!
成長にともなって収納するモノが変わっていくことを知っておきましょう。