2017年12月3日

育てにくい子は未来の成功者!? いままでにない子育てスタイルの2冊が発売

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―― 好きなことをつきつめていきたい子どもにとって、いまの社会は生きにくい。
他とは違うアイデアや個性が、まわりにつぶされていってしまう…。
そんな発想豊かな子どもたちを支える居場所作りをしているお二人のトークイベントが、11月4日、代官山 蔦屋書店で開かれました。

まわりに馴染めない子どもたちはとてもユニーク!

トークイベントに登壇予定だったのは、絵本『りんごとけんだま』を出版した、人気現代アーティストの鈴木康広さん(左)と、『育てにくい子は、挑発して伸ばす』を出版した東大教授の中邑賢龍さん。
登壇予定だった…というのは、なんと当日、鈴木さんがインフルエンザで急遽来られなくなってしまったから!
でも中邑先生が、鈴木さんの紹介を含め、おもしろく、温かく、お話していただいたので、ここで少しだけご紹介します。

トークショーの傍聴席には、まわりの子どもたちとうまくやっていけない子、
不登校になっている子の親御さんが多くみられました。
これは、鈴木さんと中邑先生が関わっている「異才発掘プロジェクトROCKET」に
興味を持っている人が多かったからです。
このプロジェクトでは、ユニークな発想でものごとを考え、
才能を発揮できる子どもたちに空間を提供。
その独創性ゆえに学校に馴染めず、不登校となってしまった子どもたちを集めて、
様々なプロジェクトを進めています。

「ROCKETに集まってくる子について、お母さんたちはよくこう言うんですよ。
友達ができないんです。言うことを聞かないんです。こだわりが強すぎるんです。
でもこれ、鈴木さんと同じですよ(笑)。大学の先生なんて2/3はこんな感じです」
と中邑先生。

鈴木康広さんは、空気をつめた巨大な人間型ビニールの作品「空気の人」や、
ファスナーの形の船を海に進ませて、地球をファスナーで切り開いていく
というコンセプトの「ファスナーの船」など、
独自の発想を形にしたユニークな作品を発表している人気現代アーティスト。
「鈴木さんは日常生活に役に立たないものをずっと作っている」と、中邑先生は笑います。
鈴木さんは現在、箱根彫刻の森美術館で個展を開いていますが、次々とアイデアがうかび、
それぞれに自分の理想を追求するために、展覧会オープンぎりぎりまで、
試行錯誤が続くそうです。
 

未来を担う子どもの頭の中は、アイデアでいっぱい

他の人とは違った発想を持ち、できるまで譲れないといった人が、大人になって研究などの第一人者として活躍している現状がありながら、そういう子どもたちは、世の中や集団教育の場ではあまり認められません。
「ユニークな人がつぶされていく世の中に、私は疑問を持っています。ユニークな子は、これからの未来をひっぱるポテンシャルを持っている子。そういう子どもに、一人で生きていく力を与える場所が必要だと考えています。
でもすべての子がROCKETに来られるわけではない。それでご家庭でも考えてほしいということでこの本を書きました」
中邑先生の著書には、遠方の研修先で寝坊してもそのまま置いていく(!)など、はじめはびっくりするような教育論があるかもしれません。でも、それには中邑先生のはっきりとしたポリシーがあります。いままでの育児書でうまくいかなかった親御さんにこそ、読んでみていただきたいです。中邑先生のメッセージは、お子さんを育てるすべての親御さんにとって、きっと参考になる部分があると思います。

鈴木康広さんの『りんごとけんだま』は、そのユニークな思考を存分に発揮した絵本です。
「りんごとけんだまはなかがいい」から始まるこの絵本は、りんご、けんだま、ニュートン、引力、宇宙へと、
発想が自在に連なっていく、考えることの楽しさが
つまった絵本。
頭の中にあれもこれもというアイデアが広がっていく様は、絵本ならでは見せ方ではないでしょうか。
脈絡や効率の良さ、どれだけ役に立つかといった視点ではない、興味のままに展開していく、りんごとけんだまの話。そこに子どもたちは、目を輝かせてついてくるような気がします。
編集担当の沖本さんは、「自分のオリジナルの思考をつきつめていく楽しさが、この絵本を通じて子どもたちに伝わると嬉しいです」と話してくれました。

子育てをしていると、「自分の子は友達とうまくやれているのか」「先生の話を聞けているのか」といったことが気になるママが多いと思います。
そうでないことが個性だと認めてあげるには、
大人にも思考の転換が必要なのかもしれません。
気になった方は、ぜひこの2冊、読んでみてくださいね!

『りんごとけんだま』(ブロンズ新社)鈴木康広・作
http://www.bronze.co.jp/books/post-157/
『育てにくい子は、挑発して伸ばす』(文芸春秋)中邑賢龍・著
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163907017
異才発掘プロジェクトROCKET
https://rocket.tokyo/

取材・文=日下淳子(編集ライター・保育士)

 

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