「アタッチメント=いっぱい抱っこ」というわけではない! 子どもの心を育てる「アタッチメント」とは?【最新号からちょっと見せ】
子どもとの関わりのなかで最近注目されている「アタッチメント」という考え方。アタッチメントにはどんな力があるのでしょうか。子どもとどんな関わり方をすると育つのでしょうか。kodomoe12月号では、そのポイントや育み方を専門家の先生に伺いました。ウェブではその中から一部をご紹介します。
アタッチメントとは……
不安を感じたり怖くなったりしたとき
「特定の誰か」にくっついて
安心感を得ようとする心の動きのこと
アタッチメントが育む力
自己肯定感
自分は何があっても守られていると思えることが
自分を大切に思う気持ちや、好奇心につながる。
社会に関わる力
自分が安定していることで、人にも共感したり
コミュニケーションをとることができる。
Point 1
アタッチメント=いっぱい抱っこ
というわけではない
「自分は守られている」と
安心できることが大切
子どもが不安になっているときに、抱っこやスキンシップで安心感を与えることは大切ですが、アタッチメントはそれだけではありません。たとえば「見てるよ」と伝えたり、ニコッと笑いかけたり。不安が解消されることがポイントに。
Point 2
くっつく相手は
母親でなくても大丈夫
むしろ、母親だけで抱え込まず
周囲の大人を巻き込んで
アタッチメントの相手は、誰でもいいわけではなく、子ども自身が「この人にくっつけば大丈夫」と思える「特定の誰か」であることが重要。母親だけが担うのではなく、家庭の中では、両親や祖父母、家庭の外では園の先生といった保育者など。その子のことをチームで支えることが大切です。
教えてくれたのは
遠藤利彦先生
えんどうとしひこ/東京大学大学院教授、同附属発達保育実践制作学センター(Cedep)センター長、心理学博士。著書に『アタッチメントがわかる本 「愛着」が心の力を育む』(講談社)など多数。
イラスト/とやまちさと(kodomoe2024年12月号掲載)