「自律神経の乱れ」が原因!? 強いイライラに悩む母&心配性でパニックを起こす娘【杉浦さやかの「機嫌のいいママになりたい!」7】
ここ最近、「お腹が気持ち悪い」と朝ごはんが食べられない日があった娘。漢方や自然治療に詳しい医師・石原新菜先生にお話をうかがって、冷えている“陰性体質”である疑いが出てきました。
自律神経の乱れ、食欲不振、腹痛、頭痛、癇癪(かんしゃく)、アレルギーなど体の不調の多くは、冷えが招くものだそう。本誌では温めを心がけて、朝食が食べられるようになった話を書きました。
ちょくちょくお腹が痛くなる娘は、漢方の「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」を飲むことをすすめられました。胃腸の働きをよくして消化吸収を促し、体力をつけられる効果が期待できるのだそう。体力がつくと冷えにくくなってよく眠れ、精神的な面にもよいのだとか。体質改善の薬なので、しばらく続けてみることに。漢方の粉薬は嫌いだけど、小建中湯は苦くないのでそこまで嫌がらない。温め生活のおかげもあって、なかなかいい感じ。
私も更年期でイライラや落ち込みの症状が出はじめてから、いくつか漢方を試してきました。どれも効いているような効いていないような……いまいち改善を感じられないでいました。落ち込みよりイライラが強い私にすすめられたのが「抑肝散陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ)」。“肝”は漢方では心や精神をあらわし、いわゆるかんの虫を抑える働きがあるので、抑肝散は子どもの癇癪にもいいそう。
先生と話して、今までは量が少なかったのかも、と1日3回きっちり飲んでみることに。合う合わないの判断の目安は2週間ほど。落ち込みはかなりよくなり、イライラも少し減ってきたみたい。もうしばらく続けてみるつもり。
娘はもともと朝は食が細く、休みの日は昼までなにも食べないことも。気にしていたけれど、「1日3食、昼は12時に、など人間が勝手に決めているだけで、本能に反することは体に負担をかけてしまう。食べたくないなら、無理しなくて大丈夫」と先生。
好き嫌いも同じで、「小さい子は酸っぱさは腐敗、苦味は毒と感じてしまうんです。学習して食べられるようになるから、今はトマト嫌い、ピーマン嫌いでOK。かぼちゃやさつまいも、好きなものの中で食べたらいいんですよ」と心強いお言葉。レタスやきゅうりなどの生野菜を断固として食べないのは、「体を冷やす食物を本能的に避けているんですよ」とのこと。それなら、仕方ないもんね。
私も娘も、不調の原因は自律神経の乱れが大きいよう。「特効薬はないけれど、結局は健康の底上げをしてあげること。よく寝てバランスのいい食事、適度な運動、湯船に浸かって、腹巻きでお腹を温めて……あたりまえの“健康にいいこと”を続けていく。今より元気になると、おのずと自律神経も整って免疫力もアップするから」と先生。
私の最近の大きな悩みが、“健康にいいこと”の中でも特に大切な、睡眠の質が落ちてしまっていること。以前は寝つきのよさだけは自慢だったのに、3時間ほど眠ったあたりで「ハッ」と目が覚めてしまい、そこから朝まで眠れないことが増えてしまいました。
「年齢とともにメラトニンという睡眠のホルモンがすっごく少なくなるから、深く眠れなくなるんですよね。運動を取り入れて、体を疲れさせるのが効果的」とのこと。パソコンやスマホで頭は疲れているのに、体は全然動いていない人が多いそう。「ヨガでも歩くでも、お風呂の前にスクワット30回でも運動になる。お風呂から出たら冷えないように腹巻きをして、ストレッチや腹式呼吸をして。長く息を吐いてってやっていると、スッと落ち着きますよ」 スクワットを取り入れたら、たとえ夜中に目がさめても、呼吸を意識すれば再び眠れるようになりました。すごい!
先生も思春期真っ盛りの娘さんとバトルの日々を送っていると聞き、「みんな同じなんだなぁ」 と心強いばかり。対等にわーっとやりあって、怒って自室に閉じこもっても放っておき、部屋から出てきたら普通に話す、の繰り返しだそう。「絶対親のことが大好きじゃないですか。本当は好きだけどつっぱってるだけなんだから、ほっときゃいいんですよ。あははは!」 豪快に笑い飛ばす先生に励まされ、温め&漢方生活を続ける日々です。
kodomoe10月号 Vol.7は、「温めて自律神経を整える」。母 vs 娘のバトルが減りつつある杉浦さんですが、親子ともにイライラや不調は相変わらず続いているよう。「温める」ことで変化が!?
本誌でもぜひお楽しみください♪
石原新菜
いしはらにいな/内科医。女の子2人のママ。温活ドクターとしてTV・ラジオ・講演会など幅広く活動。『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)、『オトナ女子 カラダの不調 ゆるめる大百科』(コスミック出版)など著書多数。
Instagram @nina_ishihara_
HP 石原新菜オフィシャルサイト
杉浦さやか Sayaka Sugiura
1971年生まれ。日本大学芸術学部卒業。在学中よりイラストレーターとして仕事を始める。著書に『えほんとさんぽ』『おきにいりと暮らすABC』『おやこデート』(白泉社)、『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)、『ニュー東京ホリデイ』『たのしみノートのつくりかた』(祥伝社)他多数。新刊『すきなもの 楽しいことA to Z -’80s~’90s少女カルチャーブック』(祥伝社)も好評発売中。
kodomoeでの連載「おやこ プチプラごっこ」を基にまとめた書籍『わたしたちの歳時記』(ワニブックス)が12月下旬発売予定。
現在、小学6年生の娘・蕗と夫と3人で東京に暮らす。
おやこ プチプラごっこ+plus(web版連載)
https://kodomoe.net/serial/sugiura_gokko/
杉浦さやか新刊プロジェクト(祥伝社)
http://www.shodensha.co.jp/ssp/
杉浦さやかX(旧Twitter)
https://twitter.com/saa_aya
杉浦さやか『おやこデート こどもと楽しむおでかけガイド』好評発売中!
WEB版「おやこデート」では鎌倉・江の島、浅草など、よりぬきおさんぽコースを紹介
デザイン/畠山香織