「飯田商店☆わんたん入りしょうゆチャーシュー麺」【奥山佳恵の『ラーメン天国』第百五回】
みなさまこんにちは!
いつも御覧いただいてありがとうございます♪
神奈川県が誇る、神奈川随一といってもいいほど
ラーメン界のとんでもないキングがいる。それは
湯河原にある「飯田商店」!
泣く子も黙る。おそらく
泣いちゃいないが佳恵も黙る。
ラーメンの連載を書かせていただいてるなら
一度は行かないと、とずっと思っていた! ら、
お店を訪ねたことがあるラーメンパイセンから
「行けるよ! 」の嬉しい報告を聞くことができたー!
なぜ「行こう!」ではなく「行ける」なのか。それは
飯田商店が完全予約制だから。予約方法はネットのみで
毎週火曜日の正午から、翌週1週間分の予約が取れるのですが・・
早くて「2分」で完売してしまうのです。笑←あまりの衝撃に笑う
ラーメンパイセンがこの「瞬殺完売」にトライしてくださり
2回目のチャレンジでよーやく予約ゲット!
ありがとう奇跡! ありがとうパイセン!
コチラが憧れの飯田商店!
お花がたくさん飾ってありました。
ちょうど「祝13周年」のタイミングだったよう!
初めましてですが、13周年おめでとうございます♪
ダストからはもういい匂いがしてくる・・! (敏感。笑)
予約時間の10分前には集合、とのことだったのでお店の前で待機していると
時間が近づくたびポツポツと人々が集まり始めた。
見ると車やバイクには千葉や埼玉のプレートが。
神奈川の王者、どころじゃなかった。関東屈指の大人気店だー!
そしてここに集いし人々はみな、予約を制した猛者たちばかりだ!
みんなも私も、おめでとう。泣
のれんに続き、券売機が登場。
ドキドキドキ
せっかくの機会なので! と震えながら
しょうゆラーメンの全部いり、つまり
「わんたん入りしょうゆチャーシュー麺」に!
一杯、2,500円!
価格も震える。笑
予約用紙に書かれていた名を名乗り、
ラーメンの種類を告げて事前準備は完了。
やがて、名前を呼ばれて店内に入ると・・
「こんにちは!」の爽やかな掛け声!
スタッフさん一同からご挨拶を受けた。
奥に向かって長細い形。右手の厨房を囲ってL字カウンターがあり
奥に2つテーブル席。15人くらいがマックスくらい。
当然のことながらオープンと同時に満員御礼。
すごい光景! (店内写真撮影はNG。お料理やセルフはOK)
とにかくピカピカに磨かれた厨房内も目を見張った。たくさんスタッフさんがいるのに
無駄な動きや話し声がいっさいない。聴こえてくるのは店内に流れるクラシックのみ!
女性はお着物、男性は割烹着。まるで料亭にいるかのようで・・緊張してきた。
えっと、ラーメン食べにきたんだよね?
そして運ばれてきた一杯は・・
「アート」だった。
何このスープのグラデーション!
夕陽かよ!
飲んでみたら
「ビックリ」した。
まろやかで「ウマアマ」い!
こんな醤油は飲んだことがない。
醤油ラーメンでいて醤油ラーメンじゃない。
醤油を超えたもの。別格の、新しい名称のもの!
ハァーーー! (感動のため息) なんじゃこりゃあー!
続いて、麺!
細ツル麺にはその激うまスープがみっちりまとい、
ながーーーい!
天まで届きそう!
好きなだけ啜って、自分の好みの量で
噛み締めることができる配慮を感じた。
ラーメンに配慮を感じたのも初めて泣
チャーシューは(日替わりらしいので)
この日は TOKYO X、もうひとつが天城黒豚!
こちらは TOKYO X。
肉が・・「甘い・・!」
思わず声にし、固まる。あまりにもおいしくて!
天城黒豚には肉肉しさを感じた。どちらも味わえて幸せ!
わんたんには、また
これまでとは違うお肉のウマみ、特に私は
ワイルドさをわんたんから一番感じ取った!
しっかりと「ワテ、ここにいます」と主張している皮の存在もイイ!
スープ、麺、具材。そのすべてがハイクオリティ。
次元が違った。食べ進めるたびに「無」になった。
ハッと気づくともう食べ終わってしまいそうだったので
急にスピードをゆるめて調整した。笑
食べ終わりが近づいて、こんなに悲しくなるなんて。
私の中で恒例の、本日のラスト残しの選考に重みが加わる。
TOKUO Xか麺か。
薄切りなのに、いつまでも
フシギとレアさを保っていますが
一応、火が通りにくいよう
お肉をレンゲの上に避難させつつ悩み、最終的に
最後まで「グラデーション」を保ち、輝き続けた
「スープ」にした!
最後の一滴までおいしかった!
ここは、プロフェッショナル集団が集った場所なのだと思った。
たった2分で1週間分の席が完売する理由がわかった。
ひとえに、ラーメンと向き合っている真摯さを感じた。
オーナー以外の男性スタッフがみんな剃髪しているのは
お寺さんに修行に入ったお姿のようにお見受けした。
気合いが違うのだ。なのに、私たちお客に対して
エラぶることなどチラッともない。
すごく丁寧で、親切で明るくて。
スープを飲み干してしまったあと、
家に帰ってからもずっと水分を取らずにいた。
いつまでも余韻に浸っていたかったから! 笑
思い出すだけで幸せが蘇る。行けた奇跡に感謝する!
走馬灯の1ページに刻まれた一杯でした、
ごちそうさまでした・・
の、あとに!
私も試しに予約にチャレンジしてみたら
なんと再び行けてしまったのですー!
私には、ラーメンの神様がついてる! 笑
今度は行きたがっていたダンナさんと♪
家族なのでシェアができるね、と3杯も注文。
ダンナさんがメインに選んだ「つけ麺」は
大きく4回ほど味変が楽しめる、
もはやコース料理のようでした!
私のメインは食べてみたかった塩。
こちらの塩もウナるほどウマみが深ーい!
けれどやはり・・感動ひとしおだったのは
「別格・醤油を超えた醤油」でした。
たまたま続けて食べれられたおかげで
走馬灯にはより刻まれたのですが
ダンナさんが、麺のあまりの細ツルさに
「前歯に挟む」というオモシロを見せてきたので
おいしい思い出に笑いの要素まで加わった。
感動の飯田商店さん、
ありがとうございました!
死ぬ前に食べたい一杯に
決定ー!
おくやまよしえ(女優・タレント)/東京都生まれ。1992年、映画「喜多郎の十五少女漂流記」でデビュー。2001年に結婚。翌年、長男を出産。現在は2児の母。NHK「すくすく子育て」、TBS系ドラマ「キッパリ!」主演を経て、テレビ、ドラマ、雑誌などで活躍中。特技はイラストを描くこと、手芸。
ブログ 奥山佳恵のてきとう絵日記