2022年4月2日

『語りかけ絵本 さくら』【今日の絵本だより 第284回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『語りかけ絵本 さくら』【今日の絵本だより 第284回】の画像1『語りかけ絵本 さくら』
こがようこ/文・絵 大日本図書 1100

桜前線もどんどん北上して、 桜満開のニュースが全国各地から聞こえてきますね。
今年のお花見は赤ちゃんと一緒、というご家庭にぜひご紹介したい絵本が、こちら。
『語りかけ絵本 さくら』です。

表紙を開いた扉には、立派な五弁の桜の花。
「なんだろな。なんだろね。
 そう さ、く、ら。」
ページをめくると
「あっ、さくらの はなびら。
 いちまいね。」
白いページに、ピンクの花びらがまっすぐ一枚。
まためくると、
「もう いちまい。」
花びらの仲間が、隣に増えました。
声に出して読んでいくと、自然と大人が赤ちゃんに語りかける形になるお話運び。
花びらは三枚、四枚と増えて、
「まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ……
すると、
「あっ、かぜで とんじゃった。」

赤ちゃんへの語りかけは大切とか、赤ちゃんの内から絵本を読んであげるといいとか、よく言われますよね。
でも実際に読み聞かせをしてみても、なんだか聞いているのかいないのか、よくわからなくてどうしたら……?
と、なかなか先に進めずモヤモヤのママやパパも多いのではないでしょうか。
そうしたお悩みにぴったりなのが、この「語りかけ絵本」シリーズです。

作者のこがようこさんは、四半世紀以上にわたってたくさんの場所でお話を届ける活動をしてきた、語りのプロフェッショナル。
優しい語り口の言葉とシンプルで温かな絵で、「赤ちゃんと一緒に絵本を楽しみたい」、そう思うママパパと赤ちゃんの間に、すっと橋をかけてくれます。
巻末の「語りかけちょこっとヒント」では、実際の読み聞かせがもう一段楽しくなるアイディアも細かく紹介されていて、「なるほど、そんなふうにするといいんだ!」と、今後の読み聞かせのコツにもなりますよ。
赤ちゃんとの絵本ライフによいスタートをプレゼントしてくれる「語りかけ絵本」シリーズ、始まりの春の桜と一緒に、ぜひ一度お試しください。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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