「ノラネコぐんだん」の絵本ができるまでに密着取材!【前編】
11月6日に『ノラネコぐんだん ケーキをたべる』『ノラネコぐんだん おでかけシールブック』『フィギュア付きミニ絵本 ノラネコぐんだん パンこうじょう』(いずれも工藤ノリコ/作 白泉社)が発売になりました!
そこで、過去のkodomoe本誌から、作者・工藤ノリコさんのこだわりと愛情がつまった「ノラネコぐんだん」の絵本づくりに密着取材した記事をご紹介します。
絵本『ノラネコぐんだん おすしやさん』(取材はkodomoe2015年10月号の別冊付録のときのもの)が、どうやって完成したのか、必見です!
STEP-01
真っ白な紙に作品のアイディアが広がる
工藤さんの絵本づくりは、文章でアイディアをまとめることから始まります。それを元に、一冊の仕上がりをイメージできるよう、実際の絵本と同じ大きさで絵と文を描き、ラフを作ります。
各シーンをどのように見せるか、キャラクターの動きはどうするか、ラフづくりは試行錯誤の連続。お話をわかりやすく伝えるためにも、何度も描き直しをしてアイディアを練り上げていきます。
「年齢を問わず、いろいろな人に面白いと感じてもらえるものを作りたいと思うんです」と、工藤さん。読む人を楽しませてくれる工藤さんの作品は、こうした気持ちが原動力になっているのです。
CLOSE UP!
言葉でイメージをまとめてから
ラフを作る前に書いたアイディアメモ。
絵本全体のイメージや大まかな流れを箇条書きでまとめてから、場面ごとにシチュエーションやキャラクターの行動などを作り込んでいきます。
STEP-02
感覚をとぎすませてじっくりと世界観を作る
でき上がったラフには色づかいを検討しながら色鉛筆で色を塗り、のりで貼り合わせて本の形にします。これももちろん、工藤さんの手作業です。
「お話の流れはラフの段階でできていますが、ページをめくったときにどんなふうに見えるかといったことや、お話が進むテンポやリズムをチェックするために作っています。本の形にすることで、編集部の方に見ていただくとき、完成したイメージを共有しやすくなるんですよ」
CLOSE UP!
特別公開! お寿司のスケッチ
「おすしやさん」の中でノラネコぐんだんが狙ったあのお寿司のアイディアスケッチ。写真資料をじっくりと観察してそれぞれのネタの特徴をつかみ、フォルムや色合いを考えます。
STEP-03
たった一本の線も納得できるまで何度でも
いよいよ本格的に作画の作業がスタート。まずはラフから主線を鉛筆でトレース(※)して下絵を作ります。この段階でキャラクターの表情のほか、背景や小物のディテールも描き込まれ、完成形に近い状態に。下絵ができたら、水彩紙と呼ばれる紙にトレースします。
「水彩紙にトレースしたものに着色するのではなく、練り消しゴムを軽くあてていったん主線を薄くし、それをなぞるように描き直します。こうすることで、線が生き生きとするんです」
※トレース……図案の上に別の紙を置いて透かし、それをなぞって写し取ること。
CLOSE UP!
バランスは細部までこだわる
下絵を描き終えたら、再びバランスを確認。拡大率を変えたキャラクターの下絵のコピーを数種類作り、最適な位置や大きさを検討します。わずかな違いが仕上がりにも影響するのです。
PROFILE
くどうのりこ/1970年神奈川県生まれ。絵本作家、漫画家。絵本に「ペンギンきょうだい」シリーズ(ブロンズ新社)、「ピヨピヨ」シリーズ(佼成出版社)ほか多数。読み物に「マルガリータ」シリーズ(あかね書房)、漫画に『ノラネコぐんだんコミック』(白泉社)など。11月6日に『ノラネコぐんだん ケーキをたべる』など3冊を発売。
撮影/岡森大輔 編集協力/菅原淳子(kodomoe2015年10月号掲載)
次は、
「ノラネコぐんだん」の絵本ができるまで。工藤ノリコさんが絵本にこめた思い【後編】
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