2020年7月7日

『そうめんソータロー』【今日の絵本だより 第140回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか

『そうめんソータロー』【今日の絵本だより 第140回】の画像1『そうめんソータロー』
岡田よしたか/作 ソーメン二郎/企画 ポプラ社 本体1200円+税

本日は七夕。
そして、七夕の行事食でもある、そうめんの日。
平安時代には「七夕の日にそうめんを食べると無病息災で過ごせる」と、宮中でそうめんを食べる習慣があったそうです。
そうめんを織り姫の機織りの糸や、天の川に見立てて七夕にいただくという説も。
そんなそうめんの日にぴったり、『そうめんソータロー』は、元気なそうめんが主役のお話です。

暑い夏が到来。
「さあ ぼくらの でばんやー!」
と張り切る、そうめんのソータロー。
夏の間のそうめんは、どこのおうちでも大人気。
「さあ たべてや たべてや。おいしいで〜」
みんながそうめんに舌鼓の様子を、あちこちではしゃぎながら見守るソータロー。
でも、秋が来て、冬になると……、誰もそうめんを食べてくれません。
「そうめんなんか なつだけやん〜」
とそばに言われてしまい、何ともくやしいソータロー。
寒い時期でも活躍したいと、そうめんの長老に相談に行きます。
長老とソータローは、これまでのようにつるつる食べるだけではない、新たなそうめんの可能性を、いろいろと試してみるのですが……。

作者は、『ちくわのわーさん』『うどんのうーやん』(ブロンズ新社)をはじめ、食べものが主役の楽しい絵本を続々と出している岡田よしたかさん。
自由自在にあちこちへ動き回る、人間味あふれる食べものたち、どれも一度読んだらきっとくせになる味わいです。
関西弁ネイティブの方なら、絶対愉快な読み聞かせになりますよ。
だって長老とソータローのかけあいも、まんま漫才!
このノリ、好きな子は絶対好きですよね。

本日発売のkodomoe8月号連載「季節の絵本ノート」では、『そうめんソータロー』も含めて夏の涼味の絵本を5冊ご紹介しています。
絵本の中でも、親子でおいしい夏をお楽しみください。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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