子どもと一緒にうどん作りで、家で退屈な日も楽しく【我が家のごはん日記/みないきぬこさんちの食卓・4】
忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの?
料理家・フードコーディネーターで、9歳女の子と2歳男の子のママである、みないきぬこさんの最終回。今月は休校で長いお休みが続きます。家で退屈したら一緒にごはんづくりを。参考にできるアイディアがいっぱいです。
みないきぬこさんちの食卓 #week4
いよいよ最終週です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。 子どもたちも長い春休み。心身共に健康でありたく、ごはんをしっかり食べ、よく動き回るがテーマの1週間だった気がします。育児に仕事に涙する日もありますが、たくさん笑って、できるだけ笑顔でいられる人生でいよう! とこれからも頑張っていきたいと思います。
<日曜日・ブランチ>
この日は午後から読み聞かせの取材。下の子に本を読んであげます。朝ごはんの後、バナナブレッドを焼いてみました。おうちのおやつなのでこだわりもなく、適当に作ります。
材料は
・バナナ 2本
・薄力粉 150g
・ベーキングパウダー 小さじ1
・砂糖 50g
・なたね油 50cc
・たまご 1個
・牛乳 大さじ1
バナナは砂糖と合わせてフォークでつぶしておきます。ボウルに粉とベーキングパウダーを合わせ、全ての材料を加えてざっと混ぜました。パウンド型がなくても深めの容器で耐熱ならなんでもOKです。オーブンペーパーを敷いて生地を流し入れ、180℃で40分焼きます。素朴な味わいで、よくかみしめられて子どもたちも大好きなおやつです。待ちきれず、つまみ食いしようとしているわが子でした。
<火曜日・夜>
私の大好きなスパイス3つをご紹介です。ブラウンマスタードシード・クミンシード・クミンパウダーです。それとオレンジ色のはレンティル豆です。この日は自分の好きなものを子どもたちに食べさせようと決めました。
今夜のメニューは
・チキンとたけのこのカレー
・レンティル豆とかぼちゃのスープ
・サラダ
お肉の下味にクミンパウダーをもみ込みます。サラダ油、にんにく、クミンシード、マスタードシードを入れてチキンを炒めていきます。クミンをさらに加えて軽く煮込みました。カレー粉は下の子にはまだ辛いので、その中に含まれているスパイスの1つ、クミンで香り付けします。まったく辛くありません。マスタードシードは爽やかな味わいで加熱すれば辛くなりません。プチプチとした食感が大好きでいろんな料理に使っています。
<水曜日・朝>
時々、ジュースをこうして2層にすると子どもたちは喜びます。下の層は甘酒です。お姉ちゃんが作り方を習得し、自分でできるようになりました。 ケンカしないで仲良く飲む方法。 作る人は同じ量と思うところまで注ぎ、相手に先に選ばせます。こうするとどちらも納得して、仲良く気持ちよく飲んでくれます。
<水曜日・夜>
以前、母に「子どもの頃、うちはごはんにシチューをかけて食べていたね」と話したら「そんな食べ方してないわよ」と一言。「いやいやいや、そうしてたよー!」「そんな気持ちわるいことしてないわよ」と記憶違いでクリームシチューについて論争になったことがありました。バゲットを添えて食べるような我が家ではないし、夕飯にパンが出るようなおしゃれなごはんが出てきた記憶はないのですが……。
まあいいやと思いながら、今日は春野菜をトッピングにごはんにかけてみました。案の定、子どもたちには食べやすく、下の子もスプーンは使えるので自分で上手に食べられます。ワンプレートごはんは片付けも楽ちんです。「おかわりー!」嬉しいリクエストです。決めた! 我が家のシチューはごはんにかけよう!
<木曜日・おやつ>
昨日のシチューに使った牛乳が余ったので夕食後、牛乳かんを作りました。刻んだいちごを入れて春らしく。流し缶から取り出して食べやすく切り分けます。外した底に残った薄っぺらい牛乳かんは作った人の特権でつまみぐい。なぜかここが一番美味しいんだよなーなんて思いながら味見をしました。これも子どもの頃、よく母が作ってくれたおやつです。レトロな懐かしいおやつの紹介でした。
<金曜日・朝>
週の終わり、毎日のように公園に遊びに行っているお姉ちゃんもさすがに退屈してきているようです。生活のリズムは崩さないように休みでも7時には起きるようにがんばっています。「よし! みんなですいとん作ろう!」と誘うと「ぼくもやるー」「すいとんってなあに?」と二人とも興味津々。「すいとんはね、小麦粉をお水でこねて、茹でたものだよ」「もちもちしていておいしいよー」と教えてあげました。
今日は豆腐でこねます。あとは一口大に鍋に入れて煮ていくだけです。
・おかか醤油のおにぎり
・春キャベツとにんじんのすいとん入りお味噌汁
・菜の花と雑穀のサラダ 他
いつもは慌ただしくイライラしてしまいがちな朝ですが、こんな朝もあっていいなあと、楽しまなくちゃと改めて思った朝でした。
<金曜日・夜>
スーパーでふきが出回り始めました。長いまま売られています。今日は作れないから明日また……と思って翌日行ってみると売られている本数は変わらず、しかも下の方は黒くなり始めている。値段が下がっている。なのに売れていない。もーもったいない、私が全部作る! という気持ちで3束購入してきました。
店員さんに「半分に切ってください」とお願いすると、葉の方は捨てようと……。「待って、ここが一番ほろ苦くて美味しいんですー、捨てないでください!」と。そんなやりとりをして無事我が家のキッチンにやってきました。「お母さん、写真撮ってあげようか?」と珍しくキッチンにやってきた娘に下ごしらえの様子を撮ってもらいました。
まずは板ずりをします。塩をまぶしてコロコロ転がします。筋が出てきたら茹でて水に取ります。そののち、ピーっと筋を外します。あとは食べやすく切って、だし汁、醤油、砂糖などで甘辛く煮ます。一緒にだしをとった後の昆布や鰹節も投入。夕食後に作ったのですが、疲れたので葉の方は翌朝作りました。たっぷりの湯で茹でて水に取り、刻みます。こちらも少し濃いめの味つけで甘辛く煮ます。一緒にしょうがやごまを加えて。季節限定の常備菜の完成です。
<土曜日・朝と昼>
朝から雨が降っています。どこにも行けず、退屈しそうなので今朝はお昼に向けてうどん作りに。みんなで一生懸命にこねて、生地を寝かせ、お昼に茹でていただきました。変わり映えしませんが、卵かけおかかうどんのできあがりです。
材料(作りやすい分量)
・国産小麦(もしくは中力粉)300g
・塩 大さじ1(15g)
・ぬるま湯 130~140cc
作り方
1. 塩はぬるま湯でよく溶いておきます。
2.ボールに中力粉を入れ、1の湯をまわしいれてぽろぽろになるまで混ぜます。ひとまとまりになったら表面が滑らかになるまで袋に入れて足踏みし、10分ほどよくこねます。そのまま30分~1時間ほど常温で寝かせます。もう一度よくこね、さらに10分ほど置きます。(一晩冷蔵庫においても大丈夫、この状態で2〜3日は保存できます)
3.打ち粉をして、麺棒で3~5mm厚みにのばして3つに折りたたみ、包丁で細く切っていきます。ちょっと縄跳びの要領で回すと麺が長く伸びてくれます。
4.あとは鍋に湯をたっぷり沸かし、10分ほど茹でます。 こねればこねるほどもっちもちになります。
ぜひ、お子さまと一緒に作ってみてください。
<日曜日・昼>
晴れた気持ちのいい一日でした。下の子のお友達ママと外へ。おにぎりを持って、少しお惣菜を買って出かけました。やっぱり子どもは外で走り回りたいよね。天気がいいと気持ちも晴れやかです。大人も子どもも気分転換は大事! おねえちゃんもたくさん面倒を見てくれました。下の子はさっそく、池にぽちゃり。着替え持ってきてないよー、と思いながら、帰りはずっと抱っこで帰路につきました。
<月曜日・朝>
私の朝ごはん。 これにて連載も終わりかーなんて少し寂しく思いながら、しみじみ振り返ってみました。気づけば子どもたち優先で食べさせ、自分は常に残り物。器も適当に済ませていました。よし、私が食べたいものを丁寧に盛り付け、ゆっくりごはんにしよう! と決めた今朝の献立です。
・ごはん
・根菜の味噌汁
・鶏のくわ焼き
・卵焼き
・にんじんしりしり
・菜の花の炒り豆腐
・ポテトサラダ
ごはんが温かいうちに座ってゆっくり味わう。小さな幸せですが、大事なことです。 これからもみなさまに作ってもらえるような美味しいごはんを日々精進して作っていきたいと思います。
料理家。女子栄養大学卒業後、枝元なほみ氏のアシスタントを経て、2007年に独立。