子どもの矯正、成功するかどうかは親次第!? 失敗しないために親ができること【子どもの歯科矯正・3】
子どもの歯並びが悪い、かみ合わせが気になる……。矯正したほうがいいのかな? などと考えるママも多いことでしょう。いつまでやればいい? いくらくらいかかる? どの歯科医院を選ぶべき? など、子どもの歯科矯正について、小児歯科学会認定専門医の網野重人先生に教えていただきます。
全3回の連載、第3回目は「矯正を失敗しないために親ができること」です。
Q 矯正専門歯科などもあるようですが、どこの歯科でおこなえば失敗ないでしょうか? また、親の心構えも知りたいです。(momoんさん/4歳男の子ママ)
矯正はどこでやるのがよい?
「今は情報が多く選択肢もたくさんあるので、迷ってしまうママは多いですよね。一概にどこがいいというのは難しいですが、子どもの歯を専門に診ている私達小児歯科学会認定専門医の強みとしては、その子の成長過程を継続的に見ているために治療の見通しが立てやすいというのがあります。今矯正すべきか、もっと成長してからでもいいのか、といった判断をつけやすいです。
とは言え、小児歯科専門医は全国で1000人程度しかおらず、通いやすい場所にいないということも多いので、難しい場合もあるでしょう。次の選択肢としては、かかりつけの歯科医で矯正をしているところがいいでしょう。もちろん矯正専門医もいいのですが対象が成人のことが多いようです。
避けたいのは、レントゲンも撮らずに『矯正しないと後悔しますよ』と言うような歯科。きちんとレントゲンを撮って丁寧に説明してくれるような、信頼できるところを選びましょう」
矯正をするとき親が心がけたいことは?
「実は、子どもの矯正が成功するか否かについては、親の覚悟がいちばん大きいんです。子どもがイヤがっても続けさせることができるか、毎月の受診にきちんと連れていけるか……。親のしっかりした管理&協力が不可欠です。
歯科矯正は病院によって料金設定が異なり、高いからいい、安いから悪いというものでもありません。安いと『まぁ、イヤなら仕方ないか』と途中でやめてしまう親も多かったり、逆に高いお金を払うほうが親が覚悟を決めている分、効果がしっかり出る、といったこともあるのです。
いずれにしろ、途中で治療をリタイヤしてしまうのがいちばんもったいないこと! 矯正をやるとなったら、親がやり遂げる気持ちを持ってのぞみましょう」
網野重人先生
あみのしげと/「桜堤あみの歯科」院長(東京・武蔵野市)。日本小児歯科学会認定専門医。昭和大学歯学部卒業。地域の子どもたちのかかりつけ歯科として、それぞれの子どもの成長に寄り添った診療を提供。日々の診療やメディアを通じて予防歯科にも力を入れる。
取材・文/遊佐信子
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